遥かなる蒼を探して〜水の都ヴェネツィア〜 第一夜

※もはや言い訳できるレベルでないですが、2008年7月現在の話です。

今回もどうやら長くなりそうなので、香港のときのように知っておくと良い情報を覚書として、まとめて最終夜の後に付けたいと思います。(リンクは後日)


■今回の旅行計画「ウィー アー オール メン」We are all men
感動の最終回(フィナーレ)を迎えた漫画「ARIA」
アニメも第三期をもって最終回を迎え、長年に渡りメディアミックスを展開してきた「ARIA」に一旦、終止符が打たれました。
「ARIA」(アリア)は、テラフォーミングされ「アクア」と呼ばれるようになった火星にある都市「ネオ・ヴェネツィア」を舞台に、一人前のゴンドラ漕ぎ=水先案内人(ウンディーネ)を目指す少女達の姿を描いている物語。

なお、以後、「ヴェネツィア」については、打ちにくいので文章内では「ベネチア」で統一します。
単語登録?ナニソレ?

まあ、その物語の素晴らしさは多くの方々がいろいろ述べていると思うので割愛しますが、とにかく、私はこのARIAが大好きです。ARIAの前、AQUAの時代からのファン。(香港珍観光旅行参照:id:tech_k:20070326)
コミックや画集を眺めては、こんな風景を見に行きたい!という想いは日に日に募っていくばかり。
ベネチアは、かつて大学の卒業旅行で立ち寄ったこともありますが、それもすでに遥か昔の話(いや、そこでま昔ではないが、ARIA以前・・・)。

また、ARIAをかねてより友人J氏にも薦めておりましたが、漫画はどうも画風が合わない様子。
ならば、とアニメを薦めましたが見事にベネチア病に掛かりました。

そんな訳で、完結記念に、私だけの「遥かなる蒼」(元ネタはARIA第12巻参照)を探しに行こうという計画を立てました。
なんとなくこの時期で・・・というのは2008年1月くらいから話をしており、以前の北九州の旅の時(id:tech_k:20090104)には具体的な日程と観光ルートの設定などを話し合っていました。そのときはベネチアオンリーというのは寂しい、ということでスイス辺りから寝台列車ベネチアに入ろうか、などと言っておりました。
私らにしては珍しく用意周到。

・・・なはずが、日程は私のせいで二転三転
当初は2008年7月19日(土)から8〜10日間くらい行く予定でした。


友人J:
「いいですね?もうこの日程で飛行機押さえますよ?」
tech_k:
「いや、ちょっと待った。出張が入りそう・・・」


などというやり取りで、いつまでたっても日程が決まらず
8月のお盆前なら確実に休めるので、そこに変更しようかとも考えていましたが、7月末から馬鹿みたいに飛行機代が上がります。いくらなんでもそんな懐の余裕はなし。

そうこうするうちに、パリからベネチアまで、夜行列車「Artésia Night(アルテシア・ナイト)」というものがある、ということを友人J氏が探し出してきました。
さらに、友人J氏が良い情報を見つけ出します。


友人J:
「なんか7月19日・20日の土・日で“レデントーレ”というベネチア最大級のお祭りがあるらしいですよ」
tech_k:
「おぉ!なら、ちょっと出発を早めてぜひ祭りを見に行こう。」


ということになり、出発を早めることに。
その後さらに、あーだこーだありましたが、旅程は以下の通りに。

1日目:成田発11:10 → パリ着同日16:40 →寝台特急アルテシア・ナイト
2日目ベネチア着9:45
3日目:川登りクルーズ
4日目:レデントーレ見学
5日目:私のみ帰国(ミラノ発)

こんな感じになりました。
直前になって仕事が入ったため、本当は1週間以上滞在するはずが、私だけ途中で泣く泣く帰国
それでもベネチアに丸3日間は滞在できる計算。
ただし、飛行機の空席の関係でベネチアにしか行かない”のにパリから入ってミラノから出る計画。
まあ、もともと他国から入って夜行列車で行こうかなんて言っていたので無問題。

しかし、アルテシア・ナイトの手配をしてから気付いたのですが、アルテシア・ナイトはパリの「ベルシー駅」発。パリの中央玄関の鉄道駅といえば「リヨン駅」を誰しも思い浮かべますが、ベルシー駅はそのリヨン駅の裏手にある(といっても地下鉄ひと駅分ある)、通常は貨物列車や車載貨物列車などが発車するマイナーな駅です。

飛行機はシャルル・ド・ゴール空港16:40着
アルテシア・ナイトはベルシー駅18:50発
その間約2時間しかありません。国際線ではありえない乗り継ぎ。
シャルル・ド・ゴール空港からベルシー駅は電車で乗換えを含め45分程度とのこと。バスやタクシーでもリヨン駅あたりまで50分程度らしく、夕方は渋滞でそれ以上かかるかもとのこと。
ということで、時間の読める(てか、日本以外で鉄道の時刻表があてになる国なんてないが・・・)電車で行かざるを得ません。
しかしながらネットで他の方の旅行記などを調べると、空港の入国審査場は非常に混んでいて、空港を出るまでに1時間はかかるとか書いている人ばかり。
そういや香港も入国審査場が混んでいて、出るまでに1時間以上かかったよな・・・
ということで、下手すると列車に乗り遅れる可能性があることが分かりました。

なんかすべて予約した後から綱渡り的なことばかり出てきます。(←すべて自業自得)

友人J:
「トーマス・クック(ヨーロッパの鉄道時刻表。日本でも大手書店で販売しています)で見たら、乗り遅れてもその後発車のTGVなら途中駅で追いつくらしいですよ」
tech_k:
「そんな最終手段はいやだなぁ」


てな訳で、旅の最初に「最大の山場」が来てしまうという今回の旅程ですが、いよいよスタ・・・

ああ、書き忘れてました。
今回の最大のメインは「宿」
「ARIA」聖地巡礼(舞台探訪)と洒落込んで、作中に登場する「姫屋」のモデルになっているホテル、「Danieli(ダニエリ)」に泊まることにしました。
ベネチア最高級の「五ツ星ホテル」です。そりゃも〜お高い(私らの経済水準では)。
しかも今回は清水の舞台から飛び降りるつもりで3泊。(まあ、かなりお手軽プランを見つけたのですが、それもおまけ編で)
そりゃあヨーロッパの「五ツ星ホテル」なんてのは格式高く、貧乏人お断り、Tシャツ短パンなんて着てたら摘み出される、ホテルが客を選ぶようなところです。(←注:tech_kの勝手な妄想)

なお、海外通の後輩I(♀)に友人J氏(♂)とダニエリに泊まると話をしたところ・・・


後輩I:
「なんで“男二人”『ダニエリ』なんですか!普通ありえないですよ!!」
tech_k:
「いや、でもなぁ・・・」
後輩I:
「絶対!確実に!!ゲイのカップと思われるに決まってるじゃないですか!!!」
tech_k:
「でも・・・」
後輩I:
「でもじゃありません!五ツ星ホテルをなめてんですか!!」
tech_k:
「いいんだよ!『ウィー アー オール メン』でOK!」
後輩I:
「何を訳のわからんこと言ってるんですか!」(←後輩Iは水曜どうでしょうを見ていない)


と、えらい言われようでした。
せめてもの敬意を表しジャケット・スラックスくらいは持っていくか(後輩I:「当たり前だろ」)ということで、まあ荷物がかさばること。

今回ばかりは準備段階からモメにモメましたが、旅はスタートします。


■1日目 日本時間10:20 成田空港 第2ターミナル ラウンジ
大阪から飛んで来る友人J氏と待ち合わせをします。
が、結局、私は仕事が終わらずに朝の「8時」からビジネスコーナーで黙々と仕事をしています。


友人J:
「仕事は終わりました?」
tech_k:
うん、それ無理


ということで、待ち合わせの時間までに終わらなかったので往きの飛行機で仕事をする羽目に


■1日目 日本時間11:10 JALプレミアムエコノミー
いよいよ成田空港から飛び立ちます。
今回はJALのプレミアムエコノミーに乗ってみることに。気になっていたんですよね。
エコノミー席ですからたかが知れていますが、エコノミーより広めのシートに、肘を乗せても隣と触れないくらい余裕のある肘掛(この辺りはJAL国内線の「クラスJ」並)、そしてリクライニングしても後ろに倒れない構造なので前席が倒れて来ずに、非常に快適でした。

しかし、まあ、意気込んで乗り込んだものの意外に空席が多く、キャビンアテンダントの方も空いているところを好きに座ってくれていいとのこと。気の利いたことで良いことです。四国の時の南海電車のパーサーに見習わせたい。(id:tech_k:20060707)

そういえば原油高による運賃やサーチャージャーの高騰(2008年7月当時)で、今年は海外旅行者が前年比30%減らしいですね。おまけにパリ行きのJAL便は1時間前に出発する便がもう1本あり、後発のこちらは空いているのかもしれません。(でも、普通のエコノミー席とビジネス席はほぼ満席という不思議)そんなわけで一人で2席以上占有してゆったり仕事をする過ごすことができました。
このプレミアムエコノミーシートの良いところは「電源コンセント(日本形式)」が付いています。まるで仕事をするためにあるようなもので(泣)、PCの電源に不安なく仕事に取り組みました。
(本当は音楽プレーヤーなどの充電に使うといいんでしょうが)

片道でプラス3万円だそうですが、10時間以上乗るヨーロッパ線やアメリカ線などではその価値はあると思います。満席のエコノミー、しかも端席以外なんかに座った日には確実に拷問です。このプレミアムエコノミーは、肘掛に肘を乗せても隣の人に気を使わなくて良いし、前席が倒れこんで来ないので、非常に快適に過ごせます。いや、JALの回し者ではないですが、次回も利用したいですね。
しかも、歯ブラシやアイマスクが配られたりスリッパが付属してたりと、アメニティ面でも普通のエコノミー席より充実しています。

・・・なお、事情を話して、着いたら一番に降ろしてもらえませんか?と図々しくもお願いしてみましたが、やはり、ファースト・ビジネスクラスの方が先と、申し訳なさそうにお断りされてしまいました。

※今回の教訓
飛行機の料金には「機外へ出る順番」も含まれてるんですねぇ

まあ、そんな訳で快適な席ですが・・・


友人J:
「まだ、仕事終わんないんですか? せっかく良い席なのにお酒も飲めませんねぇ」
tech_k:
「・・・」


こうして飛行機は一路パリへ向かうところで、続きは次回にしたいと思います。


・・・余談ですが、機内の映画は邦画の「アフタースクール」(大泉洋主演)を見ました・・・(2週間前に映画館で見たばかり)。
ついでに洋画「ラスベガスをぶっ潰せ」も見ましたが、こちらは映画館に行こうとしていたのを止めてよかった・・・(内容的な意味で)。