遥かなる蒼を探して〜水の都ヴェネツィア〜 第五夜

(第一夜id:tech_k:20110513)


■2日目 20:40 街を散策
まだこの時間でも全然明るいってのは不思議な気分です。
ゴンドラ乗り場からはベネチアの中心地、サン・マルコ広場へ向かいます。


ほんと車もバイクも自転車も走ってない、徒歩の人だけの街は歩いていて気持ち良い。

そうして路地を抜けてサン・マルコ広場に到着。


通常ならばその広さに驚くのですが、今回はレデントーレに合わせてかは知りませんが、大きな野外ステージが設営されており、残念ながらその広さはあまり実感できませんでした。

まだ明るいということで、サンマルコ広場にある「鐘楼(Campanile)」に登ってみることに。やはり高いところには昇らなくては。(←旅の自分ルール)
この鐘楼は、全長約100mの建物。1902年に突如崩壊し、1912年に再建されたそうです。エレベーターが設置されているので、上まであっという間に昇ることができ、ヴェネツィアと大運河の絶景が楽しめます。
入口で入場料8ユーロを支払います(2008年7月現在)。前回来たときは改修中で登れなかったので楽しみ。
エレベーターで一気に鐘楼に昇ります。


二面が開く面白い造り。


いや、ここはすごい。


サン・マルコ広場を一望。


向こうにはサン・ジョルジュ教会。


やっと夕闇が訪れようとしているベネチアを見渡し、そのすばらしい眺めにしばし時を忘れます。
結局、終了時間22:00近くまで眺めておりました。(あれ?2011年6月現在では21時までとなってますね)


■2日目 22:30 夕食
明日は1日かけて「川上りツアー」
朝早いということで、やっと暗くなったばかりですが、夕飯を食べて宿に帰ろうということで、サン・マルコ広場に程近いTrattoria(トラットリア)に入りました。
トラットリアとは店の名前ではなく、リストランテと違い、トラットリアはもっと気さくで安い、大衆食堂といったところです。それでも二人で40ユーロくらい行きますが。
パスタとピザ、ミラノカツレツ。ボリュームもありお腹一杯になります。


こうしてベネチア初日が終了・・・・


と、ここでホテルに帰ってびっくり。
なんと、また清掃されています。
第三夜での通り、チェックイン後にシャワーを使ったわけです。
でも、宿に帰るとバス回りのもの(タオルとか)がまた新しいものに取り替えられています・・・。
もしかして、チェックイン後は鍵をフロントに預ける度に、部屋の清掃に入るわけですか!?
なんにせよ恐ろしいほどの五ツ星ホテルのサービス。


■3日目 8:00 
いよいよ3日目(ベネチア滞在2日目)の朝になりました。
昨晩は二人とも泥のように眠る。やはり時差ボケだったんですね。
早朝散歩を見送る始末・・・。

さて、本日の予定は丸1日掛けての「川上りツアー」
友人J氏が「地球の歩き方」で見つけてきたツアーです。事前に日本で申し込み済。
詳しくは「おまけ編」に書くかもしれません。この川上りツアーは、船でベネチア本土側の川を遡っていくツアーです。見所は「水上エレベーター」です。日本ではあまり見かけません。
地球の歩き方に載っているものの、扱いも小さく、もちろん、初めてベネチアに行く人が参加するわけも無く日本からのツアーに組み込まれているわけ無く・・・とかなりマイナーなツアーなような気がします。
が、これは面白い。2回目のベネチアで個人旅行ならぜひ参加したほうが良いくらいオススメ。

閑話休題
ということで、ホテルからすぐ近くのヴァポレット(水上バス)乗り場に集合します。

今日は澄みわたる青空。気持ちいい。

朝の早い時間ですから、人通りもそれほど多くありません。そんな中、自然とこのヴァポレット乗り場周辺にいる人は、まばらながらもツアー参加者なんだなということに。
まあ、実際には日差しが暑いので、乗り場というよりは、その背後の大きな建物のその日陰に寄り添うように並んでいるわけです。
そうすると、集合時間を少し過ぎたころにガイドの方(一人)が出欠の確認を行います。
手にリストを持って確認してるので、そうだろうなあと、すぐにあたりがつきます。
人数はそれほど多くなく、我々を含めて10人程度。年齢はまばらやけど、カップルばっかやな・・・
そうして出欠確認が終わると船に乗って出発です。
もちろん、日本人は我々のみ

乗り場から振り返ると朝日を浴びた街並みがとてもきれいです。


■3日目 8:15 

まずは河口まで海原を抜けていきます。

航路にはすべてこうした杭が打ってあり、それに沿うように進みます。まっすぐでないので、意外に時間が掛かります。

でも、まあ、なんかのどかですね。

船の中は広々としていて、10人程度なら窓際でゆっくり眺められますね。
残念なのは窓が上から半開きにしかならないことですね。年甲斐もなく、座席にひざ立ちで窓の開いている部分から表を眺め、吹き込む風を楽しみます。爽やか。

さあ、いよいよ川に入っていきます。

気分は某ネズミーランドジャングルクルーズ
地図を見ないとわからないのですが、河口なのに幅がとても狭いです。
というか、どれだけ遡ってもこの河口と同じ幅=水上バスがかろうじてすれ違えるかどうかくらいの狭い幅、というのがすごい。


■3日目 8:40 初めての水上エレベータ
川にはいると程なく水門に突き当たります。
これが水上エレベータ。

もっと川上に行ってからと思っていたのですが、いきなりの出現にちょっとびっくり。

まず、後ろの扉が閉まって・・・

水があふれ出てきます。

前方と同じ水位になると水が止まり前方の扉が開きます。

おお、知識はありましたが、実際にみるとすごい。
こりゃあ、面白い。我々は後ろの方に座っていましたが、友人J氏は居ても立ってもいられず、前方の船べりに立って、身を乗り出して眺めています。こういうのを咎められないフリーダムさが外国の良いとこですね。日本なら船べり立つのさえ禁止されてそう。まあ、落ちても自己責任だし。


■3日目 9:00 Villa Foscari Malcontenta
しばらくのどかな船旅をしていると、最初の目的地に到着します。

tech_k
「あれ?船を降りるの?」
友人J
「船で川を上るだけでないんですね」

ツアー申込を友人J氏に任せっぱなしだったので、このツアーの見所は水上エレベータだと思っていたのですが(てか、友人J氏もそう思ってた)、このツアーは本来、川を遡りながらその土地を治めていた貴族の館を巡る旅のようです。(←任せきりにも程がある)

ガイドさんに続いて船を降ります。

そしてみんなに着いていく・・・


この先に何があるかまったく分っていない二人

が、

まずは大きな庭園に圧倒されます。
無駄に大きいにも程があるだろ。
そして館の方に向かいます。

続いて館の外観を眺めながらガイドさんが解説してくれます・・・が、イタリア語で話されてもまったく解りません。

しかし、一通り説明した後、ガイドさんが再びおいでおいでをします。
すると、今度は英語で解説が始まります。なるほど、このツアーはイタリア語と英語の解説付きなんですね。イタリア語の解説を聞いた半分くらいの人たちは中に入っていきました。
残っているのは英語解説を聞く方々ですね。英語なら半分くら・・・・もとい、10分の1くらいは理解できました。
続いて屋敷の中に入ります。

館の中は残念ながら写真撮影禁止。
しかしながら、貴族の館だけあって豪勢。ただ、残念ながら2階部分には上れませんでしたが。


館を見学した後は大きな庭を少しだけ散策します。


ほんと無駄に馬鹿でかい・・・。



■3日目 10:00 出発
さあ、次の目的地へ出発です。

・・・が、どうやらここから新たにツアー参加の方が十数人乗って来ました
中年のご夫婦が数組の団体です。
イタリア人らしい陽気さで、一気に船の中はどんちゃん騒ぎに。
でも、嫌な騒ぎではなく、あくまで陽気という感じ。おかげで、船の後ろに飾りのようについていたミニバーらしきところで、コーヒー(エスプレッソ)や水のペットボトルが買えることが分かりました。(値段はその辺の店とほぼ変わらず)

途中、何度か水上エレベータが現れますが、それ以上に驚いたのが「橋」です。

この川では、(少なくともこのツアーが遡る範囲で)架かっている橋はほぼすべて回転式、もしくはスライド式になっていて、係員が常駐しています。
我々の乗っているような大きな船は、高さがネックとなり、そのままでは橋を越えることができません。
そこで、船が橋に近づくと停止し、橋の係員が車の流れを止めて、橋を回転(もしくはスライド)させてくれるのです。

日本にもあるのでしょうか? 勝鬨橋のような大きな橋が大掛かりに跳ね上がるのでなく、川幅も十数メートルそこそこの川に架かっている、小さな橋を回転してくれるわけです。
これはもう、珍しいのなんの。このツアーに参加してほんと良かったです。

こうして、さらなる期待を胸に次の目的地に向かうところで、続きは次回にしたいと思います。
次回、この旅最大のピンチをむかえます。(主に私が)