蓬莱学園の初恋! (富士見ファンタジア文庫)

蓬莱学園の初恋! (富士見ファンタジア文庫)

■独断偏見ミシュラン:★★★★★(最高5つ)
蓬莱学園」をご存知でしょうか。1990年ごろに行われた伝説のネットゲームです。当時はもちろんパソコンなんてない時代です。なんと月1回の郵便のやりとりを1年間続けてのネットゲームRPGです。
日本本土から数千キロ、はるか南に浮かぶ孤島にそびえる巨大学園(高校)。そこに集うは十万人のひとクセもふたクセもある生徒たち…。という内容で、この蓬莱学園シリーズはやがてTRPGや小説も数巻、設定集や資料集など十数冊と幅を広げていきました。
この小説はその蓬莱学園小説シリーズの栄えある第1弾です。この小説を読んで私は蓬莱学園シリーズを逆に辿っていきました。だってもうネットゲームはとっくに終わっているし…。
なんと言ってもその世界観・設定に圧倒されます。十万人の巨大学園。圧倒的権力をもつ生徒会。小説ではすべては語れないけど、端々にあらわれる設定を追いかけたくて本屋をめぐって資料集・設定集などを買いあさったものです。蓬莱学園が実在したら、絶対行ってましたね。
まぁ、それを抜きにしても小説としても十分楽しめます。ドタバタラブコメディ(ボーイ・ミーツ・ガールもの)と言っていいでしょう。


■今日の決めゼリフ


「きみの名前、なんてんだっけ」(by 朝比奈純一)


一目惚れしたヒロインにようやく会えたラストシーンでの一言。二級生徒として汚いことにも手を染めてきたヒロインに対し、ひとつだけ聞きたいことがある、と言ってこのセリフ。学園中を巻き込んだ喜劇の終わり、二人の道のりの始まり。そんな基点となるラストシーンにふさわしい一言でした。


ミシュランの星
:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。