紅 (紅シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)作者: 片山憲太郎,山本ヤマト出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/12/20メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 101回この商品を含むブログ (215件) を見る

■独断偏見ミシュラン:★★★★(最高5つ)
「くれない」と読みます。内容紹介を一読して面白そうなので購入。スーパーダッシュ文庫を買うのは珍しい。
「伝統よりも大切なこと」「生きていく意味」「信頼」「不条理に負けない」という感じでしょうか。裏テーマは「ロリコン」で決定。お気に入りのキャラは崩月夕乃。
しまし、まぁ、西尾氏著の「戯言シリーズ」に設定が似ているところがありますな。戯言シリーズ妄信者の方には許しがたく、読んだことのある人では賛否は分かれるところでしょうね。私としては読み物として面白いのでOKですが、さすがに一読したときは苦笑しました。帯に著者の前作「『電波的な彼女』の世界観を引き継ぎ」とあるので、そのうちそっちも読みたいと思います。ストーリーとしてもこういう話は好きなので3つくらいにしていたと思いますが、後述でお気に入りのセリフ、この一言だけでランクアップ。格言としても質が高いのではないでしょうか。こういう格言的セリフが出てくる小説は大好きです。
紫が高貴?(=高飛車な言葉づかい)な態度をとっているが、素直に真九郎の注意を受け入れるところは、妙にかわいらしいですね。真九郎との心の交流も微笑ましい。何気に続きを出して欲しい1冊です。
そういえばまだ友人J氏にはまだ薦めてないなぁ。


■今日の決めゼリフ


「銀子、正気とか正常って何だと思う?」
「正気とは何か、正常とは何か、それを考え続ける意志のことよ。」(by 村上銀子)


異常な事件が世間を騒がすことが多い今の世の中、何を持って正気や正常と言えるのか。したり顔の有識者を名乗る人々が、これみよがしにメディアに露出してわめき散らしているが、この一言に優る言葉を聞いたことがない。妙にしっくりとくる説得感があって納得しました。


次点:「なら滅びろ」(by 紅真九郎)


名家の伝統・掟、それが必要不可欠であっても異常と言えるものなら滅びろという怒りを乗せたストレートな一言。こういうセリフ回しは好きです。他にも見ないのではないしょうか。


■参考
:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。