■独断偏見ミシュラン:★★★★★
…久々にやってもうた、という感じです。すさまじいはずし方です。
夢幻氏の前作「めぞんdeぎゃらくしぃ」はそこそこおもしろかったのですが…そういやあれも最後は失速したなぁと思い返します。
個人的に、読んでいて文体にひっかかりを感じました。原因としては説明部分が多すぎだと思います。そのせいでストーリーに入り込めないし、文章が暑苦しく感じました。主人公アッシュの一人称文体はいいいとして、ストーリーを進めるよりも背景や原因の説明に趣旨が行っているように思われます。ヒロインのアイリスも流行の“ツンデレ”にしていないとこは評価しますが、尖り過ぎていてラストシーン近くでアッシュへの態度が軟化するのが腰砕けに感じます。さらに一番人間味のあるキャラがメカドクターって…。暴走気味の主人公を押さえるヒロイン、典型的な悪役など、ストーリー自体も目新しいものがなく、1歩先がわかる展開に「やっぱり」感が積もります。
それにしてもこのライトノベル全盛期に「サイキックビーム」だの「サイキックバリア」だののネーミングはないだろう…。サイキック能力も「超人ロック」のパクリに見えますし。まぁ単に私には合わなかったです。
言い過ぎのような気もしますが、中学生くらいまでなら十分楽しめる内容かと思います。期待を込めて2巻までは買おう…。


■今日の決めゼリフ


「銀河の平和? オレがここでおとなしくしていても銀河系には犯罪や紛争がいっぱいじゃないか」(by アッシュ)


遥か昔の魔王と呼ばれ、10万年の眠りから覚めた主人公を、魔王であったというだけでかたくなに永久凍結の刑にしたがるヒロインに対しての皮肉の言葉。10万年の眠りからさめて記憶もないのにいきなりそんなこといわれたら、このくらい言いたくなる主人公には共感します。


ミシュランの星
:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。