四国珍道中(第1夜)


■旅行計画
今回の目的は、「どうでしょう本2」(以下どう本2)で紹介された宿“オーベルジュ土佐山”“ホテル祖谷温泉”に泊まること。日程は以下の通り。


第1日
[大阪発] → [和歌山港] → [フェリー] → [徳島港] → [1番札所霊山寺]→[“オーベルジュ土佐山”泊]

第2日
[“オーベルジュ土佐山”発]→[沈下橋見学]→[高知城]→[“ホテル祖谷温泉”泊]

第3日
[“ホテル祖谷温泉”発]→[香川うどんツアー]→[88番札所大窪寺]→[徳島駅]→[高速バス]→[大阪着]


以上の3日間の予定で行ってまいりました。
なんかザックリした計画の上、八十八箇所は最初と最後だけで無理やり結願してしまおうというものですが、出発前日の夜まで上記以外をまったく決めていなかった行き当たりばったり感の強い旅になってしまいました。前日の夜に決めたことといえば「香川うどんツアー」で回る店をどう本2を元に計画しただけという始末。


tech_k:
「地図にうどん屋書き込み終わったで。どの順番で回るか検討しよか。最初は坂出駅出発やから……」
友人J:
「……ちょっと待ってください。ほんまに8軒も回る気ですか?…」
tech_k:
「まぁなんとかなるやろ。大丈夫、大丈夫。」
友人J:
「……まあ、写真は撮りたいからいいですけど…」(疑わしい視線)


■7:50 波乱の幕開け
今回、徳島まで和歌山港からフェリーを使うという、普通では考えられない旅情あるルートを選んだのは、「サイコロの旅2」のラストシーンで和歌山のフェリーターミナルが出てくるため。このショットを今回のついでに撮ろうという計画。フェリーは9:20発。南海なんば発7:57発の急行電車で9:04着。写真を撮る時間は十分あります。
和歌山港へは南海電車の直通電車で行くのですが、和歌山港行きの電車はそもそもフェリーの時間に合わせてのみ運行されています(友人J談)。面白いのは、フェリーの運航も南海グループがやっているため、なんば駅南海電車の運賃表には徳島港まで載っている上、自動券売機で徳島港まで買えてしまうんです。私も長い間大阪に住んでいましたが知らなかったのでちょっとした驚きでした。

ちゃんと前日の夜、南海なんば駅まで行ってフェリーのチラシをもらってきたので、なんば発の時間もバッチリ把握。いざ出発です。


tech_k:
「…57分発の急行が列車案内板に出ておりませんなあ」
友人J:
「え? だってちゃんとチラシに出てますやん」
tech_k・友人J:
「……」(駅の時刻表を見る)
友人J
「このチラシって平日の時刻表だったんですねぇ…」


いきなり波乱の幕開けです。
いや、その、8:10発の特急でもフェリーは間に合うんですが、9:14和歌山港駅着のため、写真を撮る時間を鑑みて、念のために7:57発の急行の方にしていたため、なんとか事なきを得る。しかし、写真を撮ることができるか不安な時間が流れる…
和歌山港駅行き特急サザンは面白い電車で、前4両が指定席で座席が横並びの電車。後ろ4両は自由席で普通の通勤電車の車両です。どうせ空いてるので自由席でもいいのですが、記念に指定席にしてみることに。
…案の定ガラガラなので、無理に二人並んで座らずに、一人で2席使ってゆったりとしていると、アテンダントの方が来て、


「すいません、そちらは他の方の席になりますのでご自分の席にお座りください」


と注意されてしまいました。
想像してください。ガラガラで他に人がいない車内に男二人が窮屈そうに二人並んで座席に押し込まれている姿を。


■9:15 どうでしょう聖地探訪(和歌山港編)
和歌山港に着くや否やダッシュで改札を抜け、ロケ場所へ……探すまでもなく、改札を出た目の前の欄干のところでした。まずは、第一の目的達成!

この欄干のところで黄昏ているところでサイコロ2は時間切れになりますね。
現在では木が伸びてしまい、見にくくなってしまっているのが残念です。


■9:20 想定外の「涼宮ハルヒの憂鬱舞台探訪」?
さて、写真をビシッと撮りまして、急いでフェリーへ向かいます。和歌山港駅からフェリー乗り場までは直結の通路になっていますので特に迷うことなくフェリーへ駆け込み、桟敷席に適当に寝そべっているとこんな表示が……。

そうです。アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」第6話・第8話『孤島症候群』に出てきたフェリーです。
南海フェリーの「くまの」であろうことはすでにネットの舞台探訪に書かれていたのを知っていましたが、私たちが乗る9:20発のフェリーは「くまの」でないことを配船表で確認していたのでそちらは今回の旅の目的には入っていませんでした。どうやら期間によって配船が変わるようです。


tech_k:
「これは思わぬ幸運!こうななったらハルヒ舞台探訪もやろう!」
友人J:
「では、ちゃんとシーンを確認しましょう。PCにFLV形式で動画をちゃんと持って来てるんです」*1
tech_k:
「おぉ!ナイスだ! さあさあ確認しよう」
友人J:
「…………あれ?再生できへん…」
tech_k:
「ぬわぁにぃ〜!」


どうやらコーデックとプレーヤーの関係で上手く再生できない様子。PCに向かい悪戦苦闘をしている友人Jをその場に残し、私は非情にも記憶を頼りにバキッっと写そうとカメラを持ちデッキへ向かいました。
……しかし、人の記憶ほど曖昧なものはなく、それらしいところを何枚か撮ってみるものの本当に合っているのか不安になります。

たしかトランプをやっているシーンはこんな感じでしょうか?


デッキのシーンもありましたなぁ。



…10分後
帰って来た私を迎えた友人Jは大の字に寝転がり何かに耐えている様子。


tech_k:
「おーい、大丈夫かー?」
友人J:
「…………」


返事はない。ただの屍のようだ。


もとい、船酔いでダウンの様子。
今日は悪天候のため、ことの他揺れており、その中でPCへ向かって細かい作業をしていれば、当然こうなるわけで…。


その揺れ具合ですが、欠航にならないのが不思議なくらいです。確実にコップの水がこぼれる程。
どのくらいゆれるかといいますと、遊園地の「フライングカーペット」を想像してみてください。
乗ったことのない人は、そうですね…内臓がフラフープみたくぐるんぐるん回っている状態といえばわかっていただけますでしょうか。


そんなこんなですが、洒落にならないくらいの揺れに私もなにか「酸っぱく」なってきたので横になることにしました。


tech_k:
「うぅうう…」
友人J:
「……なんか酸っぱいですねー」


そうして地獄の2時間後の11:20、船は無事徳島フェリーターミナルに到着したのでした。


さて、このフェリーターミナルでもハルヒ舞台探訪で撮るべきカットがあるのですが、確認のしようがなくこちらも記憶を頼りにパチリと相成りました。

ターミナルの出口のシーンもあったと思うんですが…。

さすがに洋上の船を撮れないのでここでパチリ。


■12:00 どうでしょう聖地探訪(原田琴三絃店前)
徳島港からはタクシーでレンタカー屋に向かいそこで車を受領し、いざ出発です。
まずはサイコロ2徳島一泊後のサイコロを振った地点へ向かいます。事前にネットで調べておいたのでそれほど苦もなく到着。ただし、ホテルの前の上に、細い路地にあるので車で行く場合は注意が必要です。

わりとレアな地点ですがとりあえず押さえます。


■12:20 どうでしょう聖地探訪(徳島駅編)
続いては徳島駅へ、
ここがサイコロ2徳島編でのサイコロを振った場所です。徳島駅隣接のホテルの入口の前の横断歩道です。


■13:30 徳島ラーメン「いのたに」
遅くなりましたがいよいよ昼食です。どう本2にも出てきました名店「いのたに」さんで徳島ラーメンを堪能すべく向かいました。

お昼を過ぎた時分ですので駐車場にも若干の余裕があり、行列が出来ているもののそれほど待たずに席につくことができました。

私が食したのは中華そば肉入り中と生卵。生卵は標準装備ではありませんでした。
味の感想としてはおいしいんですが、“濃い”です。スープもさることながら肉もダシがよく浸み込んでいて味が濃かったです。


■14:20 かばん屋 Van Nuys(ヴァン・ナイズ)
徳島ラーメンを堪能した後は、友人がぜひ寄りたい!と前日の夜に強固に主張したかばん屋さんへ向かいます。場所は徳島空港の目の前。いのたにさんからは車で30分くらいでしょうか。ナビとスーパーマップルを駆使しても分かりにくかったです。空港のターミナルからは徒歩10分くらいの近場です。
このかばん屋さんはオリジナルの帆布製のかばんを扱っています。帆布製かばんといえば京都の「一澤帆布」さんが有名ですが、今はお家騒動のゴタゴタで失墜していますから新たな帆布製かばん屋さんに期待です。
このVan Nuysさんはこの徳島店が本店であとは東京渋谷店があるのみ。この他には楽天市場で購入可能だそうです。私は初めて知ったのですが、若者向けのファッション誌ではよく取り上げられているみたいです。

……あまりの素晴らしさに店内の写真を撮るを忘れてしまいました。これは名店です!
はっきり言って高いですが、帆布製なので一生使えますし、おしゃれな上に耐久性も優れていて、一澤帆布が好きだった私としては大のお気に入りに。目にとまったポーチを即購入してしまいました。店員のお姉さんも親切で、あからさまな観光客の私たちにも親切に説明してくれました。
これは、新たな徳島の観光スポットです。
なお、渋谷店は本店よりも小さくポーチのオプションが中心ということでした。本店は普段から使えるいろいろなバックや旅行かばんなども種類が豊富に陳列されていました。

私が買ったポーチです。横に携帯ホルダーやペンホルダーなどいろいろオプションを付けて自分のオリジナルかばんに出来ます。



■15:05 オーベルジュ土佐山へ
Van Nuysを堪能し、いざナビにオーベルジュ土佐山を入力するとなんと到着予定時刻は18:00


tech_k:
「うわ、マジ?」
友人J:
「はよ行かんと、せっかくの宿が堪能できませんやん」
tech_k:
「と、とりあえず急ごう!」


と、あまりの余裕のなさにあわてて宿へ向かい徳島道をひた走ります。やはりオーベルジュ土佐山まで行くからには藤Dたちのように早く着いて宿を堪能せねば!と思っていたのにこの体たらく…。


友人J:
「この先のジャンクションで高知道に入らないとダメですよ。松山まで行ってまいますよ」
tech_k:
「……あんなー…」
友人J:
「はい?」
tech_k:
「……今、思い出したんやけど」
友人J:
「何をです?」
tech_k:
「……1番札所行ってへん」
友人J:
「あっ!」
tech_k:
「……さすがにもう戻られへん」
友人J:
「……ってことは、いきなり逆打ち決定ですか?」*2


まさに、どこぞから「計画的にね!」と言われんばかりに、行き当たりばったりの旅程の欠点が浮き彫りになりましたが、後の祭り。すごすごと今日の宿へひた走ります。
こうなれば少しでも早く宿に着いて堪能しまくるのみ。



さて波乱の幕開けをした四国珍道中ですが、果たして無事宿にたどり着けるのか!?
続きは明日にしたいと思います。

*1:なぜFLV形式なのかは諸般の事情により割愛…。

*2:四国八十八箇所を88番から逆に回っていくことを“逆打ち”といいます。