四国珍道中(第5夜)


■2日目17:30 今日もいまだ山の中

今更ですが、そもそも車に付いているナビが表示する“到着予定時刻”というものは、ナビが示している経路の“法定速度”“距離”を元にして計算されているわけです。
宿まで一本道で“距離”がどうにもならない以上、ナビが示す到着予定18:20を少しでも縮めるためには、単純に宿までの曲がりくねった車1台分しかない細い山道を『頑張って』(具体的手段はご想像にお任せします)走る他にないわけで……結果こうなります。


tech_k:
「ほら、見てみぃ、17:40まで縮まったでー」←ドライバー
友人J:
「ぅぅぅ」←助手席
tech_k:
「やっぱり、俺のドライビングテクニックのおかげですなー。しかも安全運転!」
友人J:
「うぅぅ…安全運転は…酸っぱいなー……」


■2日目17:40 ホテル祖谷温泉
細い山道の途中に突然と現れたのが本日の宿「ホテル祖谷温泉」。
あまりの唐突さにびっくりです。

ほぼ平屋で、なかなかこじんまりした宿です。さっそくチェックインし、仲居さんに案内されます。


仲居さん:
「では、まず施設の説明をさせていただきます。このフロントのあるところが『4階』になります」
tech_k・友人J:
「4階っ!?」


崖に建っているので、どうやら玄関からの眺めは一部のようです。


■2日目17:45 部屋に案内される
藤やんとうれしーが泊まったのはいろいろあるタイプの部屋のうち、「展望露天風呂付き」の部屋で2部屋しかありません。それはもぉー“お高い”のです。
予約時に、散々悩みましたが、予算的に泣く泣く「展望風呂」付きの部屋に。
まあ、元々ここのウリは部屋風呂ではないので、それほど期待してなかったんですが……





tech_k・友人J:
「おおおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉおおっ!!!」


目の前に広がる絶景!
が、ガラス張りの風呂!
ま、マッサージチェア


素晴らしい!これは素晴らしい部屋です!
あとで知りましたが、この展望風呂付き部屋も6部屋限定で、なおかつこの6月から新規に始めた部屋だそうです。その名に恥じない最高の部屋です。



『展望』の名の通り、この部屋風呂は部屋の中に対してはブラインドが全面にあるのですが、唯一、窓の外に対してはブラインド一切なし。すりガラスにさえなっていません。しかし大丈夫。谷間は深くその向こうには人っ子一人いない険しい山が望むのみ。心ゆくまで絶景を堪能できます。


■2日目18:00 夕飯
風呂へ行くには中途半端な時間だったので、即夕飯にしてしまいました。
昨日に負けず劣らず美味しくいただきました。特に四国の山の中ということで、無理に海魚の刺身を出すのではなく、“キジ肉のタタキと湯葉刺身“となっていたりして、地場の特産をいろいろ取り入れて楽しませてくれました。心行き届いたメニューです。こういうとこで当たり前のようにマグロの刺身が出てきても興ざめしますしね。
私が感動したのはこの“祖谷豆腐と鰻の博多蒸し わさび餡・オクラ添え”です。これは美味しかった!


■2日目19:30 露天風呂
本当はかずら橋がこの時期はライトアップしているので、宿が見学ツアーを企画してくれていました。
20:00フロント集合だったのですが、今しがたかずら橋を堪能してきてしまったので、この間隙を突いて露天風呂へ行くことに。


そう、どうでしょうファンの方はご存知「ケーブルカー」で行く風呂です。
この宿の露天風呂は“谷底”の川べりにあります。そのため、谷底に降りるために専用のケーブルカーが宿に付いているのです。かなり本格的なケーブルカーです。


知ってはいたものの、あらためて体験するとすごいですね。

ケーブルカーで降ること5分終点に付きます。

写真中央に見えるのが終点です。夜景モードで撮影するとスピード感が出てしまいましたが、実際はゆっくりです。
下の駅には誰もいないため、出発するときに宿の係りの人から運転方法を聞きます。また、下の駅に着いたら扉の開け閉め等は自分でやらないといけません。


駅にはケーブルカーの待合スペースがあります。クーラーが効いているので快適。駅から少々階段を降りますと脱衣場に。
あ、ちゃんと脱衣場も浴場も男女別ですよ。


そして服を脱いで更に階段を下りるとついに露天風呂が!

今回は誰もいないので、撮っちゃいました。
風情ですなぁ。
ちなみに、風呂のみです。洗い場などは一切ありません。サッと湯をかぶって浸かります。


ぬるい。


そういえば仲居さんに「ぬるいので30分以上は浸かってください」と言われました。


しかし、風情のある露天風呂に、絶景の川原がライトアップされて川の流れも見れて、ほのかに香る硫黄の匂い。ぬるめのお湯にたっぷりと浸かり、鼻歌を歌いながら流れる川を見て過ごすと、あっというまに30分以上が過ぎます。

洗い場もなく露天風呂だけの"かけ流し"の温泉だけに、ぬるめのお湯だからこそ味わい深いですね。
ただし、冬に行くときは覚悟が必要です。一度浸かると二度と出たくなくなるそうです…。


たっぷり堪能した後は、再度ケーブルカーに乗って宿まで戻り、今度は宿内の大浴場に。
こっちも温泉ですが、まあ、普通の内風呂です。ちゃんと熱いです。


■2日目夜も更ける 
ゆっくり風呂につかり、夜も更けてきます。
今日の宿にはTVが付いていますが、まあ、今日も世俗を離れて…ということで、部屋備え付けのマッサージチェアで寛ぎつつ読書などして過ごします。



この展望風呂付の部屋にはBOSEのオーディオが付いていました。なかなかいいものです。確かこれでも6〜8万円くらいだったかと。昨日のBang&Olufsenほどではありませんが、こちらも高級オーディオメーカー。お気に入りの曲を奏でつつ、世もふけてまいります。


今回、高級オーディオ「BOSE」でかけた曲
1.冒険でしょでしょ?
2.ハレ晴れユカイ
3.God knows…
4.Lost my music
5.恋のミクル伝説

以下繰り返し


成長のない二人です。


■22:30緊急事態
明日はいよいよ“香川うどんツアー“です。
名店と呼ばれるうどん屋のほとんどは、9:00〜14:00くらいの営業時間のため、朝早く出る予定でおりました。
しかも、今回の旅行に同伴できなかった友人Y氏がうどんだけでも食べに来るということで、明日の朝、9:00香川県坂出駅にて待ち合わせをしておりました。


実は、宿に着いたときに坂出駅を入れてみたんですが、なんとここから2時間掛かるそうです。


が、宿の朝食は「朝7:30から」と言われてしまっています。
しかも、ケーブルカーで行く露天風呂は朝7:00からケーブルカーが動くとのこと。ケーブルカーは乗るだけでも往復10分。ゆったり浸かれません。
朝食を10分で食べて速攻チェックアウトしても計算が合わないことになりました。


tech_k:
「どうする?とりあえず朝一で露天風呂にサッと浸かるにしても、朝食が7:30では計算が合いませんなぁ」
友人J:
「大阪から来ると、9:01着の電車の次は9:46着になりますねぇ」
tech_k:
「いっそ、うどん屋数件諦めて友人Y氏には9:46着に電車を変更させる?」
友人J:
「でも、もし『頑張って』走って9:00に着くことがあったら中途半端に待つし……そうしたら先に何件かうどん屋いきます?」
tech_k:
「うーん」
友人J:
「まぁ、友人Y氏に選ばせたらええですやん」


という会話があったかどうかは定かではありませんが、私の携帯電話のメールの発信には以下の文章が残っています。


『選んでください。坂出に9時1分に着いて30分待たされるのと、9時46分に着いて、うどん屋数件飛ばされるかもしれないのと。どっち?』


友人J:
「ひでぇー」
tech_k:
「お前も同罪じゃ。…お、メール返ってきたな」


『30分待つ』


tech_k・友人J:
「……………」


こうして、波乱の2日目も終わりを向かえ、苦闘の3日目へ突入するのですが、思いのほか長くなってしまったのでこの続きは明日にしたいと思います。