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SHINO ―シノ― 黒き魂の少女 (富士見ミステリー文庫)
- 作者: 上月雨音,東条さかな
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/02/10
- メディア: 文庫
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小学生の支倉志乃と大学生の僕の物語り。なんとも説明のし辛い作品です。まあ、ミステリーって言えばミステリーなんでしょうが。読み終わった後になんとも不思議な気分になります。こんな小説もありかと。
人はなんのために生きるのか、という答えの出ない疑問を抱えて生きていくことのジレンマというのでしょうか、そういうことが見えてきます。私としてはそうしたことに理由付けをすること事態ナンセンスだと思っている人間ですが、ひとつひとつ掘り下げていくと、今回の作品で語られているようなことは共感が持てる部分もありますね。
そうして生と死の狭間を往来する志乃と、それを生の側に繋ぎ止める役の僕。このなんとも不思議な二人の物語は、まだ続きを読んでみたいですね。伏線もいろいろ残ってますし・・・と思っていたら最近2巻が出ましたね。
■今日の決めゼリフ
「そこが、ちょっと違うところやねんなぁ。なんで子供が人の死に関わったらあかんの? そんなもん、放っといてもいずれは誰だって経験することやんか。身近な誰かが死ぬことなんて当たり前のことやし、誰だって、世の中で起こってる殺人事件から目を逸らすことなんてできへん。そういうんを子供の目から隠すっていうんは、結局のところ大人の傲慢やろ?」(by 鴻池キララ)
過度になんでも世間の汚い部分を子供から切り離していればいいということではないですね。生きていれば当たり前に起きること、体験することに対し、どういうことがあって、どういう原因であってどのように対処し、それがどういう基準で善悪の区別があるのか・・・等々、ちゃんと伝えていく責任が大人にはありますよね。たとえば「なぜ人を殺してはいけないのか?」と自分の子供に問われたときに、単にいけないことだからとか法律で禁じられているから、とかだけではない説明をできる人がいったどれだけいるんでしょうね。
■ミシュランの星
★:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。