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- 作者: 早矢塚かつや,ヤス
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2006/07
- メディア: 文庫
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第2回ライトノベル新人賞佳作受賞作品だそうです。MF文庫Jは力を入れるときに帯を金にするのですが、緑基調の文庫にはよく似合う色だと思います。
それはさておき、閉じられた時間、永遠の時の終わり、ハッピーエンドへの願い、といったところでしょうか。
なかなか面白いストーリー構成だと思います。基本のストーリーにらせん状に関わってくるもうひとつのストーリー。それがやがて接点を持って一つの流れとなる。よく練りこんでいて目新しい感があります。
ただ、個人的には登場人物たちが安易な死を選ぶ姿勢が好きになれません。唯まではストーリー展開上やむを得ないですが…。閉じられた、自分だけの心地よい世界、自分の理想を世界に押し付けるための手段を「死」に持っていくのはどうかなと。まあ、自殺サイトで知り合った見ず知らずの人と死ねる人がいるような、死があふれている今の現状には合致しているのかもしれませんが、やはり私としてはそこが好きになれなかった作品でした。
ただ、ストーリー構成などは上手いと思いましたので、著者の次回作に注目したいと思います。
■今日の決めゼリフ
「世界の恋人」 (by 響依泉子)
依泉子の直緒に対する自己紹介。なかなか的を得ていていい表現です。だからこそ、ラストがより切なくなりました。なぜこういう紹介になるかはネタバレが過ぎるので割愛しますので悪しからず。
■ミシュランの星
★:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。