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- 作者: 渡邊裕多郎,大林森
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 2004/10
- メディア: 文庫
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著者の前作「日出づる国の吸血鬼」がなかなかだったので購入してみる。
ヒロイン沙織の世間知らずな豪快なボケッぷりが非常に印象的な作品です。ここまで来るといっそ清々しさを感じます。主人公の南郷も「忍」と呼ばれる特殊部隊出身の一人軍隊なんて特殊な育ち方をしていますが、こちらの方がよほど常識もある一般人に見えてしまうほどです。
ストーリーとしてはドタバタラブロマンス?(ラブコメといってもいいのか?)的なところですが、時折見せる沙織の南郷によせる思いがにじみ出ていて、こそばゆくなります。なかなか面白そうなシリーズになりそうなだ・・・と思っていたら、著者の次作は違うシリーズになってましたね。残った伏線の回収をぜひして欲しいところです。まあ、1冊完結ものとしても十分楽しめると思います。
■今日の決めゼリフ
「沙織お嬢様、前に言ってたでしょう。どうしたら俺が喜んでくれるかわからないって。俺も自分でよくわからなかったんですけど、ついさっきわかりました。沙織お嬢様が無事なら、それで俺はうれしいんですよ。」(by 南郷誠一)
借金をかたにした主人と召使というだけの関係だけが、南郷を繋ぎ止めるものだと思っていた沙織。その沙織がこうした利害関係なしに、友として、思いの人として助けてくれるということを知って、どれほど喜んだかは、想像に難くありません。
■ミシュランの星
★:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。