南九州不完全制覇700キロ 第一夜


■今回の旅行計画
友人J氏と日程が合ったのでふと旅に出ることに。
行き先は台湾、タマンヌガラ国立公園なども考えましたが、前回のオーベルジュ土佐山とホテル祖谷温泉の素晴らしさも記憶に新しく、国内のどうでしょう聖地探訪も検討。競馬好きでもある友人J氏が日程中にあの「綾陽亭」さんのある綾で年に一回の草競馬である「綾競馬」が開催されることを突き止め、結局「綾陽亭」さんと「綾競馬」を中心に考える。


…考えるのであるが、INとOUTの空港がいつまでも決まらず、散々悩んだ末に今回初期段階で考えた旅程は以下の通り。


1日目
[神戸空港発]→[鹿児島空港]→[天文館むじゃき]→[西郷公園]→[サンメッセ日南]→[鬼の洗濯岩]→[綾陽亭泊]
2日目
[綾陽亭]→[綾競馬見学]→[照葉大吊橋]→[熊本泊]
3日目
[熊本]→[竹田]→[熊本空港]→[羽田(友人Jは伊丹)]


なぜ、この二人の旅はいつも行き当たりばったり感の強い旅になるのだろうか…。


さて、早速第一夜をスタートさせたいところですが、このような旅程でも参考にされる方がいるかもしれないので、先ず、なぜこのような宿泊予定になったかを述べておきます。


当然、上記日程を見たどうでしょうバカの方々は「おい、あそこが入ってないぞ!」といろいろ思われるでしょうが、今回の肝はなんといっても2日目の熊本泊でしょう。
我々としても2日目(1日目は翌日の綾競馬へ行くために綾陽亭泊が決定済み)は当初、高千穂に泊まる予定でした。高千穂と言えばそう、「絵はがきの旅2」で出て来ており見所満載です。綾からは北へ進むだけ、さらにそこから竹田に向かえばいいかと思っていたのですが、問題が2点。
1点目は時間。綾から高千穂までは高速道路がありません。ネットで車での所要時間を調べる(NAVITIMEを使いました)と綾から高千穂まで約6時間30分、少なく見積もっても4時間……綾競馬を見てから向かうには時間がかかりすぎることが難点。
2点目は直前までこうして悩んでいたので、いい宿がもう取れないということ。


以上を考えたときに、そういえばプチ復活の時に竹田の姫だるま工房は熊本空港からの方が近いと言っていたはずだから、いっそ熊本に泊まったらどうだろうという結論に至り、2日目は熊本泊が決定しました。
綾からは高速のIC(インターチェンジ)までたどり着けば、熊本までは高速道路で一気に行くので、時間もあまりかかりません。


■鹿児島へ
羽田発の朝一の飛行機がとれず、やむを得ず友人J氏と一緒に神戸空港から鹿児島へ向かうことに。もちろん、私は前日に大阪入り。
神戸空港は開港してから一年もたっておらず、見てみたかったのでまあこれでよかったかと。
しかしながら、8:00発のフライトのため、朝5:30に起きる羽目に…。
その神戸空港の感想としては「きれい」「小さい」ですね。
ポートライナー神戸空港駅の改札出たら直進50mで荷物検査場な上に搭乗口も6番まで。しかも1番2番は一旦外に降りて階段用の車で登るタイプなので実質4つ。そりゃ20分前に空港に着いても余裕で乗れますよ。(事前にWebチェックインしてますので)
それにしても神戸空港はガラガラですね。飛行機もガラガラ。クラスJへ座席変更をしませんか?なんて積極的にフライト直前までアナウンスしてるの初めて聞きましたよ。普段はキャンセル待ちでも変更できないのに。
朝一だったのと、神戸-鹿児島というマイナー路線であったためと思っておきましょう。


■9:40出発…計画性の無さを露呈
さて、無事に鹿児島へ着き、レンタカーを借りていよいよ出発です。
鹿児島空港と言えばすぐそばにある西郷公園。対決列島の名勝負が思い出されます。
私としては旅程にある通り、天文館むじゃきで白熊を買って来て西郷公園で食べるという先入観がありました。が……


友人J:
「西郷公園は右ですって……右ですって、行かなくていいんですか?!」
tech_k:
「へ?」
友人J:
「だから西郷公園行かなくていいんですか?!」
tech_k:
「もう高速の入口の道に入っちゃったよ。後で戻って来るでしょ?」
友人J:
「この道(高速)戻って来ませんよ?戻ってくる時間もありませんよ?」
tech_k:
「は?」


……そういえば事前に友人J氏に西郷公園で白熊食べようとは言ってなかったな。


友人J:
「じゃあ、次回ということでいいですね?」
tech_k:
「はい…」


■10:30鹿児島 天文館
一行で書くとこんなタイトルですが、着くまでにはいろいろありました。


1.白熊を売っている「天文館むじゃき」さんの天文館(『てんもんかん』と読みます)って何?と思っていましたが、天文館は単に地名なんですね〜。


2.高速で走っている間にネット(友人J氏のZERO-3[es])でむじゃきさんのことを調べていたら、開店は11:00〜、日・祝のみ10:00〜だそうです。


tech_k:
「今日って土曜だよな…11:00開店か?」
友人J:
「なんで事前に場所だけ調べて、開店時間を調べてないんですか!」
tech_k:
「いや〜、普通10:00だと思って」
友人J:
「東京や大阪のノリで考えないでください。地方都市は何があるかわからないんですから」


3.高速降りたら結構渋滞してます。


天文館むじゃき」さんは単に白熊を売っている売店ではなくレストランです。入口横には白熊持ち帰り専用窓口があり、そちらは10:30でも空いていました。しかし、友人J氏はレストランで本物の白熊を食べたい様子。
いや、カップの白熊がニセモノというわけではありませんし、どうでしょう的にはそっちが白熊なんですが、まあせっかくここまで来た記念というわけです。
結局そうしたことから30分ほど待つことに。その間、小腹が空いたのでなんか食べようということになったのですが……えらいもの見つけました。



モスバーガーの九州限定「チキン南蛮バーガー」
これは食べなければなりません。なんたって九州限定です。



なんというか、この味は「有り」だと思います。思いますが、どっちかというと白ご飯が欲しくなります。どうせならライスバーガーで出せばよかったのにという友人J氏の言葉に納得です。


■11:10天文館むじゃき
さて、開店時間も来ましたので、さっそく乗り込みます。



建物の1階、2階部分をそれぞれレストランとして営業しています。1階は中華料理がメインのレストラン、2階は洋食メインのレストランでしょうか。私たちは1階の方へ行ってみます。
開店して10分しか経ってませんが、すでに40名くらいは入れる店内の5割程度の席が埋まっています。
席に案内され、さっそく白熊を注文します。名物だけにメニューの一番最初に白熊メニューが載っています。



いろいろ悩みましたがオーソドックスに「白熊」に、体調を考えてベビーサイズの方にします。
真夏に2キロくらいジョギングした後ならノーマルサイズを食べきる自信はありますが、さすがにすでに秋も深まった肌寒いこの時期に食べきる自信はありません。
しかし出てきたそのベビーサイズも破壊力十分。



きめ細かい氷のサクサク感と練乳の程よい甘さ。飽きのこないようにほのかな甘酸っぱさを添えるフルーツたち。さらに食感のアクセントに色鮮やかな寒天。


美味い。こいつぁ美味い。


頭をキンキンさせながらあっという間に平らげます。
カップの白熊は保存用ですからガッチガチに凍っていて氷がジャリジャリという感じですが、店で食べる白熊は氷も削りたてでサクサクというかサラサラというか、舌に乗せるとふわっと溶けていく感触がまた堪らない美味しさを引き立てていて、カップとはまた違う美味しさです。鹿児島に行った際はぜひ試していただきたい一品です。


なお、店内は11:30には満席になりましたが、9割方の人が「白熊」のみを注文していました。昼食にはまだ早いものの、中華料理屋でカキ氷だけ注文する客ばっかってのはどうなんでしょうね…。
ちなみに、ほとんどの人は(男性でも)ベビーサイズの方を注文していました。


■11:40宮崎へ


さて、むじゃきを出て多少は土産物屋を冷やかし、いよいよ宮崎へ向けて出発します。
次の目的地はサンメッセ日南」。そう、モアイ像です。
ナビに入力すると到着予定時刻は15:00となってやがります。


友人J:
「せっかくですから、時間あれば桜島を見物したいですね。前に来たときは観光までできなかったので」
tech_k:
「ほう」
友人J:
鹿児島市からならフェリーが出てるんですよ。そこからさらに大隈半島の方に抜けれるんです」


なんて、会話を鹿児島市に来る道中で話をしていたものの、どう考えても桜島を見てる場合じゃないことになりました。
今日の宿は「綾陽亭」さん。早めに着いてゆっくりしたいところです。さっそく、サンメッセ日南に向けて出発します。
(なんか、四国珍道中でも同じこと言っていた気がしますが…)


わざわざ鹿児島に来たのに、桜島照国神社も城山公園も見ずにただカキ氷を食べて去るだけのこの二人。端から見ればただのバカな二人の旅がやっと本格的にスタートしたところで、続きは次回にしたいと思います。