南九州不完全制覇700キロ 第四夜


■2日目9:10 綾競馬
本日のメインは綾競馬
この綾競馬は今年で25回目を迎える草競馬です。年に1回、この時期(11月の第一日曜らしい)に綾町の馬事公苑で行われます。
例年おおよそ1万5千人程度が来るそうです。当然、ほぼ車で来場します。



年に1回ということで、こうして畑を臨時の駐車場しています。
駐車料金はすべて無料です。また、駐車場の前には誘導の人も立っています。
ただ、帰りに渋滞しそうでちょっと怖いですね。


この馬事公苑には綾城や運動場などが隣接していて、そのための大きな駐車場がありますが当然足りません。公園の西側と東側にそれぞれ臨時駐車場を作っていました。遠い臨時駐車場からはシャトルバスも出ていたので結構本格的で盛況な草競馬です。



さて、25回目ということで草競馬の中では比較的新しい部類に入るのですが、この綾競馬の施設はすごいです。
1週1000mの専用ダートコースで行われます。
ゴール前にはちゃんと観覧スタンドがあります。
なかなかここまでそろうのはないですね。


ですが、そこは草競馬。コースが車道に面しています。
ここ綾町では町をあげてのお祭のようなものです。



コースのすぐ脇にみんなビニールシートを敷いて宴会してます。



とにかく、露店もあちこちに出てまさに「祭」です。


大きな花時計もあり、また、子供が遊べるアスレチックみたいな遊具もあり、単に競馬と言うだけでなく、家族で来ても楽しめるところですね。
馬の試乗や馬車などもあり、馬と触れ合うコーナーもありました。



そして何より、馬券もとい「お楽しみ券」
草競馬ですから当然馬券発売はありません。そこで「お楽しみ券」です。
あらかじめ、全レースの1着馬と2着馬の馬番を印刷した券を売っています。馬券みたいにこっちで指定できません。
要はビンゴゲームですね。実際に走る馬が抽選機といった具合です。
さらに、そのお楽しみ券はいろいろなものとセットで売っています。




手ぬぐい、箸置き、果ては「鳥のささみくんせいと一緒になんてのがありました。


当たる景品も洒落が利いていて面白い。



2Rなんてバケツですよ?当たったら、バケツ持って飛行機乗れってんですか。


こんな景品ばかりですが、意外と夢中になるものです。地元のおっちゃん、おばちゃん達も、馬券もといお楽しみ券を握り締めてレース結果に一喜一憂しています。
そしてレースが終わるたびに、そこかしこでバケツを持っている人やしょう油を小脇に抱えた人が見れるわけです。
笑えることに、この「お楽しみ券」レース後も売り切れるまで売っているんです。だいたい4R後くらいまでは売っていました。ということは、当たり券を買えるんですね。1R終了後にみんな当たり券探しに売り場に殺到してました。そんなにみかんが欲しいんかいっ!と突っ込みたくなりました。


まさに「お祭」


お楽しみ券についている手ぬぐいをみんなおそろいで日よけにかぶったり、
鳥のささみくんせいをツマミに宴会したり、当たった景品も、生活雑貨ばかり、
馬が走れば盛り上がり、当たった外れたと一喜一憂、
お腹が空けば露店でいろいろ買って食べ、
ワイワイガヤガヤとみなで楽しむ。


なんかいいですね。


そういえば開会式での競技委員長の挨拶が印象に残ります。
まあ年をとったおじいちゃんですから、そんなたいそうな挨拶ではないんです。
ですが、25年前始めた当初の数年間は、観客も少なく参加する馬も少なかったというころ振り返っていました。そして25回目というところまで来た、ここまで盛大になったという喜びが伝わってきました。


さて、肝心のレースですが各レース5頭立てです。全13レースで構成されています。昨年は12レースだったそうです。
まず、予選レースで1200mのタイムを競います。
次に予選タイム上位5頭で決勝戦である「綾ダービー」を、6位〜10位で「菊花賞」を行います。こちらはそれぞれ1600m。
そして途中で地方競馬の休養場などを呼んだ招待レースやポニーのレースも行われました。
草競馬らしく、スタートは事故防止のためスターターは使いません。スタートちょっと手前付近から5頭で適当に走り始めて、特に不利な馬がいなければスタートラインを越えた段階でそのまま発馬となる形式です。競艇に近いですね。



こうしてスタート手前をうろうろしていて、一斉に走り出すわけです。


コースは前述の通り、ダート1周1000mの楕円形。コースの幅はおよそ10m弱くらいでしょうか。
コース沿いの柵に沿って、観客はビニールシートを敷いて家族で宴会しながら見ているわけですが、この柵はあってないようなもの。小さな子供ならくぐり抜けてコースに出れます。レース中にそうなったら非常に危険です。ですが、決してそうはならない。これが田舎の凄さなんでしょうね。


我々はスタート付近の4コーナー出口の柵沿いで数レースを見てみましたが、その迫力は凄いです。
手の届くところを全力で走り抜けていきます。ですから、当然、馬が蹴り上げた砂を被ります。
野球じゃないんですから、競馬で砂被り席(文字通り本当に被るんですが)なんて初めてです。





さて、この会場で露店がたくさんでていますが、地場特産品の露店もあります。そこでは、みかん、蜂蜜、芋などいろいろ売っているのですが、中でもイチオシはこれです。



「地鶏の炭焼き」です。テントの裏で豪快に焼いています。
単に地鶏を炭で網焼きして塩コショウしているだけのものですが、これがまた美味い!
たっぷりの肉汁にちょっと辛めに効いた塩コショウがまた食欲をそそります。
これをツマミにビールを飲みながら競馬観戦したらこの世の天国でしょうねぇ。車の運転があるのでお茶を片手なのがちょっとさびしかったです。
お土産用に真空パックものものも売っていました。即購入です。


レースも進み、時間はお昼。
このまま一日いてもいいんですが、やはり綾と言えば「照葉大吊橋」
この馬事公苑から車で15分程度のところにありますので、行って帰ってくればちょうどお楽しみ券の当選番号も見れるだろう(=レースが終わってるんじゃないか)と言うことで、6Rが終了した段階で照葉大吊橋を見に行くことになりましたが、それは次回にしたいと思います。