南九州不完全制覇700キロ 第五夜


■2日目12:00
さて、このまま馬事公苑に一日いてもいいんですが、やはり綾と言えば「照葉大吊橋」
この馬事公苑から車で15分程度のところにありますので、行って帰ってくればちょうどお楽しみ抽選券の当選番号も見れるだろうということで、6Rが終了した段階で照葉大吊橋を見に行くことにしました。



この日は雲ひとつない快晴で日向は夏のように暑く、それだけに照葉大吊橋までの道のりは谷沿いの川に沿った道で日陰も多く、また風も涼しく快適でした。
道路もこの数年で工事が進んだのか、ほぼ二車線の道路です。


■2日目12:20 照葉大吊橋
休日ということもあり、駐車場は満杯に近かったです。(もともとさほど大きくはないですが)


橋までの途中に数件の土産物屋があり、入場口があります。
入場料は300円。これで、資料館入館と照葉大吊橋が渡れます。
・・・しかし、四国珍道中の時のかずら橋を渡るより安いのか。


入場口の先にはすでに橋が見えています。



入口を入るとちょっとした広場になっていて、そこに橋の渡り口がありますが・・・



いや、想像以上に大きい橋です。
吊橋ですから、橋の両側に柱を立てて吊るわけですが、その柱が非常に高い。


はやる心を抑えて橋を渡る前に資料館を見学します。
綾町の自然に関する資料館で、この森に住む様々な動物や昆虫のはく製が飾ってあります。
また、農林業に使用する道具なども飾ってあって、郷土資料館のようなものですね。
面白いのは、生息する木の幹の一部分が飾ってありました。
自然豊かなよい町ですね。


さて、いよいよ橋を渡ります。
比較的新しい吊橋で、全体が鉄製です。
そのため、思ったより頑丈で厳つい造りですね。



ただ、その分長さがあるので堪能できます。
鉄製だけに渡っていても揺れはほとんどありません。
また、足元は鉄板で下が見えない仕様なので、高所恐怖症の人でもそれほど怖くないのではないでしょうか。


橋も中ごろまで渡るといよいよ下が渓谷になっていて、その高さを実感します。
すると突然、足元の両側部分が網状(鉄製)になっていて下が見えるようになっています。
長さは1mくらいの区間で、真ん中30cmくらいはそのまま鉄板になっていますが、その両脇は網状になっていて下が見えます。こうした場所が数箇所あります。




いや高いですね。これは。
ただ、まあ、かずら橋の怖さほどではありません。
人によってはやはり怖いのか、鉄板の部分をおそるおそる渡っていました。


さて、周りを見渡すと遥か向こうにも橋が架かっています。



あそこから見上げる照葉大吊橋は、きっとすばらしい眺めでしょう。
この照葉大吊橋を渡って一周する遊歩道(というか山道)があり、それを進むとあの橋にたどり着くそうです。遊歩道は1周40分程度とのこと。



しかし、よくよく見るとあの橋は遥か下にあります。ということは、もしあの橋に行こうと思ったらまた駐車場(この大吊橋と同じ標高)まで上ってくるのはどんだけしんどいことか・・・。


しかしここまで来たので、途中までは行ってみることに。



なかなかアップダウンのある山道です。



橋から見た中間ポイント(それでも3分1も来てない)まで来て、写真を撮って折り返し戻ります。
時間と体力があれば、いつか1周してみたいですね。



この照葉大吊橋は単に橋があるだけですが、なかなか見所たっぷりで楽しめました。
しかし、この橋を架けた意味がわかりません・・・遊歩道も橋を作った後の後付のような気がしますし、渡ったから何があるというわけではありません。
どう考えても、この立派な橋はただ「橋を渡る」ためだけに作られたような気がしますが、まあ、それはそれでちゃんと観光名所になってるし、見所もあるのでいのかなと妙に納得。


帰りは橋の下で車を止め(道路に2台分くらいの停車スペースがある)、下から見上げてみました。




■2日目14:00 綾城
さあ、時間もいい頃合です。再び馬事公苑に戻りました。
前回も述べましたが、馬事公苑に隣接して「綾城」があります。まだ、最終レースまで時間もありますので、行ってみることにしました。


馬事公苑から駐車場の奥にある橋を渡って行くのですが、ここにも吊橋が・・・。
まるで照葉大吊橋のミニチュアみたいでそっくりです。



さて、その綾城ですが、城址にいくつかの施設の集まった造りです。
天守閣はもととより、他に体験工房や土産物屋や休憩スペースなどがありました。


天守閣は木造で再築されており、なかなかいい味を出していました。



屋上からは綾町を一望できます。



ここのお土産屋で売っている陶芸品はいいですね。思わずビールマグを買いました。値段もお手ごろ。


馬事公苑で一大イベントをやっているわりにはひっそりとしていて寂しい限りですが、なかなかいいところです。ぜひ綾に行かれた際は寄ってみてください。


さて、最終レースが近づいてもなかなか帰る人が現れません。最終レースが終わったらえらいことになるな、ということで、最終レースの実況中継を背に馬事公苑を後にします。


■2日目15:10 酒泉の杜
さて、熊本に向かう前にちょっと寄り道して「酒泉の杜」に行ってみます。
と言いますか、要は綾陽亭さんまで戻ってきたわけです。
酒造会社が運営するお酒のテーマパーク、それが酒泉の杜です。そしてその中の宿泊施設が綾陽亭さんであることは以前述べた通りです。
他には、綾陽亭さんを中心として、ガラス工房、ワイナリー、照葉の湯(温泉)、特産品売り場、教会などがあります。


教会がなんでこんなとこに・・・と思いましたが結婚式を挙げられるそうです。
まあ、披露宴は綾陽亭さんの2階にある宴会場を使えると思いますし、あれだけの料理が出来る板長がいるわけですから期待できるのでは?
どうでしょうバカの方はいかがでしょうか。


お土産のお菓子も美味しそうなものばかり。お酒類は試飲できます。焼酎・日本酒・ウイスキー・ワインと色とりどりです。焼酎の試飲などは氷が用意してあったのは気が利いていていいですね。ここは宿泊しなくても楽しめます。

ここで美味しそうなソフトクリームを見つけましたので、一息入れることに。




これが、また美味しい
牧場とか行くと「濃い」ソフトクリームを売ってるじゃないですか。そのノリではあるんですが、なんていうんでしょうか不思議な味です。
「濃い」のに(味がどっしりとしているのに)後味がしつこくなく、爽やかな甘みが残ります。
これはホントに美味いです。
よくよく見れば、東京新宿のサザンテラスにある宮崎県サテライトショップ「KONNE」(こんね=宮崎弁で「おいで」という意味らしい)でも売っているらしいです。今度ぜひ行ってみよう。


いや、ほんとに綾町が好きになりました。
1日目はいろいろあって、宮崎にともすれば悪印象をもつかもしれないところでしたが、この綾町がすべての悪いことを水に流してくれます。
時間の流れも緩やかな南国の田舎町。終の棲家にもいいかな、などと思ってしまいます。


この町はぜひもう一度訪れたいですね。


■2日目18:50 ホテルニューオオタニ熊本

さて、酒泉の杜から高速に乗るまで40分ちょっと、高速道を1時間ちょっと、高速を降りて熊本駅前まで1時間弱で本日の宿「ホテルニューオオタニ熊本」に到着です。
すでに19:00前ですが、ここは宿泊するだけなので、別に構いません。


■2日目20:00 熊本アーケード街
ホテルをわざわざ味気ないホテルにしたのは、2日目を無理して旅館にしても綾陽亭さんを超える食事や施設でなかったらがっかりだよな、ということを考えてのことです。
実際に綾陽亭さんに泊まった後では、こうしておいて良かったと心から思います。
しかし、ホテル代を安くあげたのですから当然夕食はいい店で食べようということで、さっそく熊本の繁華街に飛び出します。


熊本といえば馬刺し!


という短絡的な考え以外頭になく、繁華街をああでもない、こうでもないと彷徨い歩きます。
友人J氏が以前仕事で熊本に来たときに、接待を受けた店のレバ刺しが絶品ということで行こうとしていたのですがこの日は定休日。
そういうこともありましてこれと決めた店もなくあれこれ探して歩いたわけですが、ふと「馬肉のしゃぶしゃぶ」というメニューが目に飛び込んできました。
実は友人J氏は生肉が食べれない(レバ刺しは接待上食べざるを得なく、無理やり口に放り込んだらたまたたま美味しかったということらしい)ので、しゃぶしゃぶにしようということで、さっそく店に入ります。



入口はひっそりとして若干入るのに抵抗がありましたが、いざ入ってみると店は大盛況、たまたま席があいたので待たずにすぐに席に着くことができました。



友人J氏は食べれませんが、遠慮なく私は馬刺しも頼みました。
この店ではたてがみの部分の肉が数切れついていました。コリコリとした歯ごたえでなかなか美味しいです。
レバ刺しは残念ながら今日はないそうです。やはり新鮮さが命ですから市場の開いていない日はないみたいです。この潔さで店のこだわりが感じられます。


そうして、いよいよしゃぶしゃぶです。


これがまた美味い!
しゃぶしゃぶですから余分な油分も抜け、しかしジューシーでもあり、肉が口のなかでとろけます。
牛のしゃぶしゃぶも肉がとろけるような感じですが、馬肉は、肉の噛み応えもありながら、かつとろけるといった感じです。
熊本に泊まって正解!



締めに雑炊がつきます。
肉の旨味が染み出した汁にご飯を入れて卵でとじて・・・


美味い!絶品!これはいいっ!


びっくりです。想像を超えています。
この美味しさに大満足です。


これからは熊本といえば「馬肉のしゃぶしゃぶ」かつ「締めは雑炊」に意識が変わりました。

こうして大満足のうちに2日目の夜が更けていくところで、続きは次回にしたいと思います。