神無き世界の英雄伝 (電撃文庫)

神無き世界の英雄伝 (電撃文庫)

■独断偏見ミシュラン:★★★★★

特に何も受賞していませんが「超弩級スペースオペラ誕生」と帯にある、著者の電撃文庫初登場作品です。(といっても失礼ながら著者の他社出版のものは知りません)
この日本で「スペースオペラ」というジャンルはいかに興味があってもノベルで作品にするには大いにためらいがあるでしょう。その理由は言わずもがな、「銀河英雄伝説田中芳樹著)」という最高傑作がすでにあるからです。あまりに偉大すぎるこの作品は、偉大すぎるがゆえに日本人からスペースオペラというジャンルへの挑戦者を減少させた要因であるかもしれません。
確かに、過去には「タイラー(吉岡平著)」のような素晴らしい作品もありますが、あくまでラノベの域を出た作品でありませんでした(これは非難しているわけでなく、タイラーシリーズ自身も他に真似のできないいい作品ですが、ストーリーとキャラの構成上とノリ的にスペースまではついてもオペラまではいかなかったと個人的に思っています)。また、続刊中の荻野目氏の「野望円舞曲」などもありますが、いい作品ながらも田中芳樹氏の影響が強いのか、銀英伝を越えるという(もとより著者にそんなつりで書いているわけではないのですが)ことはないでしょう。
今回のこの作品は、(まあ一部萌え要素が入っているのは否めませんが)真っ向から銀英伝に向き合った作品といえます。まあ、萌え要素が一部入っているので賛否は分かれるでしょうね。
まだまだこれからの作品ですが、非常に楽しみな作品です。ぜひはやく続刊を出してもらいたいです。20巻くらい出すつもりで、じっくり書き込んでいってほしいですね。


■今日の決めゼリフ

「ひとつくらい願いが叶っても、誰も咎めはしないだろう」(byクラウディオ・アレティーノ)

決して叶うことのない想い。結ばれることは絶対にない、電子妖精への愛。
せめて死ぬときは一緒にという願いが叶うこの瞬間のセリフに不覚にも涙を流しました。


ミシュランの星
:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。