ライトノベルの楽しい書き方

ライトノベルの楽しい書き方 (GA文庫)

ライトノベルの楽しい書き方 (GA文庫)

■独断偏見ミシュラン:★★★★

正直なところ個人的嗜好から言えば、GA文庫にはなかなか食指が動く作品が少なく、今回この本を手に取ったのはタイトルとイラストに因るところが大きい。
女子高生ライトノベル作家とふとした拍子にその正体を知ってしまう同級生とのハートフルラブストーリーと言えば良いのだろうか。まあ、実際は突拍子もない設定で、どちらかというと少女コミックにありがちなストーリーのような気がする。しかし著者と担当編集者の努力の賜物なんでしょう、ライトノベルとしては非常に面白いものに仕上がったと思う。GA文庫もアニメ化作品とかあるけど、こういう作品が増えればもう少し幅広く多くの人にうけるレーベルになれると思うのは私だけでしょうか。
多少の設定の強引さはあれど、安心して楽しめる作品、とりわけ、美桜の劇中小説のラストシーンはそれまでのストリーを経ると、読んでいて不覚にも涙が浮かびそうになりました。ぜひ続巻を希望します。
なお、著者の本田透氏の恐ろしさを実感。「円卓生徒会」(スーパーダッシュ文庫刊)や「イマジン秘蹟」(スニーカー文庫刊)と同じ著者とは思えません。文体・ストーリーの雰囲気など、レーベルごとにキッチリ色を分けてくるこの著者は恐ろしい。本当に同一人物が書いているのかと思ってしまいます。こういう人を大切にしたいですね。


■今日の決めゼリフ

あなたが、好きです(by ヒロイン…作中小説『蒼色海月党』)
この展開は見えんかった・・・。現実のラノベにしても十分感動できる作品でしょう。確かにこうしたラストにした方がインパクトも面白さも断然に違うだろうと思ってしまった。
この言葉に辿り着くために本編が存在したかのような凝縮された一言。著者の本田氏は旨いなぁと関心。


ミシュランの星
:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。