ようこそ無目的室へ！

ようこそ無目的室へ! (HJ文庫)

■独断偏見ミシュラン：★★★★☆

まあイラストが目を惹いたのと、内容紹介がおもしろそうだったので購入してみる。
帯には「こんな部室が欲しかった！ランキングNo.１（編集部調べ）」という文字も踊り、楽しげな雰囲気。
著者の在原氏はどこかで見たと思ったら、「TAKE　FIVE」（電撃文庫刊）の著者ですね。だいぶ前の作品ですが、あれは不思議な雰囲気が好きでした。期待。
普通の学園ミステリーかと思いきや、無目的部という設定や持ち込まれる事件の数々は目新しく面白いと思う。特に人が死なないのがいい。落ち着いて読めるので。
好きなキャラは星垣一郎。こうした冷静沈着な（感情の起伏が乏しいとも言うが…）、でも素でおちゃめを演じれるとこは好きです。在原氏の小説は何というか、淡白な感じでサラっと読めてあまり印象に残らないのですが、でも面白かったことは心に残る不思議な小説です。
読み進めていても普通に学園ミステリーとして面白いですが、最終章の展開は素直に旨いと思う。この展開でストーリーにメリハリとくっきり感が出ます。こういう本を出せるからＨＪ文庫には期待しています。ぜひ続きを出して欲しいものです。

■今日の決めゼリフ

「うん、こんにちは」（by星垣一郎』）
ほづみの挨拶に返すラストの一郎の言葉。
展開としてはほづみが一郎に相談すると思ったんですが、うん、こういうラストもアリですね。こういうラストにするなら、まさにピッタリの言葉です。

■ミシュランの星
★：死ぬまでにあと１回読めばいいか…。
★★：普通に面白い。２年に１回再読したい。
★★★：結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★：非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★：最高！聖書代わりに枕元に必携。