北の大地の夢の跡〜タウシュベツ川橋梁を訪ねて〜 第三夜


■2日目 8:00 上士幌町 糠平温泉中村屋
(第二夜で宿名書き忘れてるのは内緒)

今回泊まったのはここ、糠平温泉中村屋さんです。

http://www3.ocn.ne.jp/~fujimi/

犬かわいかった・・・


さて、本日はいよいよ見学ツアー
せっかくですので、私は早起きして宿の温泉を堪能。
せっかくですので露天風呂を堪能します。
朝早いこともあり、誰もおらず、ゆっくりできました。景色も抜群。
実はここの露天風呂は混浴。朝一で明るければさすがに女性はいないので、気持ちもゆったり。
朝食はバイキング形式でした。昨晩のように地場のものをおかずに、和洋どちらもそろっています。

暖炉のある洋風の食堂で美味しくいただきました。


■2日目 9:00 糠平温泉文化ホール
名残惜しいですが、宿を出て集合場所へ向かいます。
糠平温泉文化ホールのロビーにはそれらしき方々がすでに何人かいらっしゃいます。
我々も、ウェアーと靴を借りて着替えます。
なお、手袋(スキー用とかが望ましい)、耳の隠れる帽子は自分で用意します。
そうして、まずはスノーシューの履き方の講習から。

スノーシューとは所謂、西洋かんじきで、これを履くと雪の上を沈まずに歩けるということで、近年、このスノーシューを履いていろいろ巡るツアーが人気だとか。お手軽でいいですね。

講習を受けたあとは出発です。
先ずは車で湖上の近くまで送ってもらいます。


■2日目 9:20 出発

車を降り、スノーシューを履き出発!
ガイドの方が先導してくれ、湖までは道無き林の中を抜けていきます。

国鉄廃線跡。まっすぐです。
今は遊歩道になっている様子。夏に来ると気持ちよさそう。
さらに林を抜けます。

途中でイタチが野うさぎを襲った現場があったり、巨木に出会ったりと林の中の探索も楽しいです。
そうしているうちに、林が途切れ、湖が一面に広がります・・・

が、やはり一面の雪原にしか見えません。
それもそのはず。この糠平湖はワカサギ釣りもできるくらい凍ります。当然雪も積もりますし、雪原にしか見えません。

ここで一旦休憩となりますが、面白いものを発見しました。

氷のきのこ?
いえ、切り株の上に氷が乗っているようです。
この糠平湖派水力発電のためのダム湖のため、冬に湖が凍った跡でもどんどん水が抜けていきます。
そのおかげで水位が下がって例の橋梁が顔を出すのですが、それ以外にもこうして湖の水位が下がると湖の底に沈んでいた切り株の上に氷だけが取り残されるということらしいです。
ただ、この現象は北海道でも糠平湖だけでしか拝めない珍しい現象だとガイドの方が言っていました。
思いも寄らぬものが見れました。
さて、この地点からはるか先に目的地が見えています。

ここからは凍った湖上をひたすら目的地に向かって歩くだけなのですが・・・・

いくら歩いても近づきません。
心が逸るのみ。ちなみに、これ、湖の上歩いてます
この日は快晴、そよかぜも心地よい日和です。
見晴らしの良い湖上は気持ち良い。
ガイドの方もここまで晴れるのは珍しいと喜んでいました。
普段はもっと曇っていて、湖上も風が吹き荒れているそうです。


■2日目 11:00 タウシュベツ川橋梁
いよいよ橋梁のふもとまでやってきました。でけぇ。

2007−2008年JRフルムーン夫婦グリーンパスのPRポスターにもなっているこの橋ですが、ここまで大きいとは思いませんでした。(まあ、鉄道橋だから当然ですが・・・)

近寄ると表面は案外ボロボロです。

水位が下がるときに凍りに削られてしまうそうです。

こうして、橋のところどころに氷が取り残されています。これで水位が下がるときに削られてしまうんですね。
そのため、崩壊が加速度的に進んでおり、こうして間近まで近づけるのは、もうあと「5年」が限度だろうということです。
そういう話を聞くと、思い立ってすぐに来て良かったという思いよりも、なんとも悲しい複雑な気持ちになります。橋の詳しいことは友人J氏が解説しているのでそちらに譲ります。(id:knyacki_j:20080217)


しかし、感動ものです。
ただの汚いボロボロの橋なのに、なぜか滅び行くものへの郷愁を誘います。
不思議な気分。
しばし、過去と未来に想いをはせて橋を眺めます。



・・・やがて集合時間が来て、再び湖上を戻ります。
人生でここまで感動したのはあまりありません。きっとこの先この感動は生涯忘れないでしょう。
これは、絶対、フルムーンポスターのような水面から顔を出しているところを見に来なければなりません。
友人J氏と再訪を誓います。

なお、フルムーンポスターは、5月中旬から6月初めの撮影だろうとガイドさんが言っていました。
6月中旬、早いときは6月初旬から水没してしまうそうです。

それと、橋の「上」は立ち入り禁止です。崩壊が進んでいるため危険だからです。
ちゃんと看板も立っています。
しかし、近年、立ち入っている人が多々いるようです。実際、遠目で橋が見えているときに登っているどうしようもない人がいました。
万が一、それで自業自得であれ怪我でもすれば、もうここまで間近で見ることができなる可能性も高いとのこと。
くれぐれも自重して欲しいものです。
(ちなみに私の写真は立ち入り禁止区域の外、橋の両端から撮っています)


帰り道、だんだん小さくなっていく橋を何度も振り返っているところで、続きは次回にしたいと思います。