とある飛空士への追憶

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

■独断偏見ミシュラン:★★★☆☆

内容紹介で興味を持ち購入。著者はガガガ文庫では4冊目2シリーズ目になるが初購入。

切ない。非常ぉーーーーに切ない、後世で歴史に名を刻んだ偉大な皇妃と歴史の闇に消えた名もない飛空士が織りなす、ひと夏の恋と空戦の物語。
とにかく、読んだ後には切なさしか残らない。それは、やるせなさでも後味の悪さでもない、純粋な切なさが残る。
著者にはラストをどうするかの選択肢が二つあったはず。でも、単なるハッピーエンドにしていたら、そこら中にある他のラノベに紛れてしまっていたと思う。それにおそらくプロットの段階から迷うことなくラストの選択肢は決まっていたであろうし、その選択は成功だったと言わざるを得ない。基本ハッピーエンドが好きな私も、これで物語としては良かったと思わざるを得ない。
だから、キャラがどうとか、設定がどうとか、ストーリーの構成がどうとか、そういう感想はこの本に関してはありません。絶対に続刊を出さないでください。
とにかく、読め。損はさせない。そんな一冊です。
切ない気分になりたいなら(そんな人いるの?)、まず一番に私はこれを挙げるでしょう。

■今日の決めゼリフ

「ありがとう、シャルル、ありがとう」(by ファナ・デル・モラル)
ラストシーンでのファナの言葉。悲しみ、決意、感謝、恋心、恨み、どんな気持ちで口を出たんでしょう。


ミシュランの星
:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。