ライトノベルの楽しい書き方2

ライトノベルの楽しい書き方 2 (GA文庫)

ライトノベルの楽しい書き方 2 (GA文庫)

■独断偏見ミシュラン:★★★☆☆

第1巻で気に入り、待望の第2巻。存外にすぐ出たという感じ。
第2巻では「三角関係」がテーマで、当然のごとくその一角を前巻で伏線を張っているので市古さんが担う。うん、ここまでは順当。
ですが、ちょっと失速かなぁ。ちょっとストーリーにメリハリに欠ける気がします。
ネタバレ過ぎますが、最初から市古は、剣と八雲の間に割って入る気が毛頭なく、八雲もその気がない。このことが引っかかります。心夏が小説内で言うように、結局は剣と八雲の絆が強く、市古は終始後ろに下がって入り込まないということで、ともすれば市古のキャラも立っていない(実際はちゃんと立てていますが)、盛り上がりに欠ける面白味のないストーリーに受け取られかねません。さらに市古は別に八雲と付き合いたいと思っているわけではないとあっては正直私としては楽しめなかったです。
もちろん、今回は剣が勝手に妄想が暴走してひとり相撲して悶えているのが面白いんだ、と言うこともできるでしょう。そして、市古にその気がないからこそ、最後に二人はお互いに初めての親友になることができたんだということも。
そういう見方ができると解ったうえで、私としては期待(想像・妄想でもいいですが)を外された上に、最後まで外されただけで終わってしまったという感が否めません。結局、今回は剣の一人相撲を楽しめる人には非常に面白い作品に仕上がっていますが、三角関係で泥沼展開ないしはハーレム展開へのルートを考えている人は、あれよあれよと展開が進んで行ってしまっう感じです。その意味で、市古のキャラがが淡白に見えますね。ですが、「私は巻き込まれただけですぅ」なんてセリフからちょと腹黒さも見え、位置づけがさらに見えにくいかな。
まあ、本当の意味で三角関係にするか(剣の性格上この選択肢が選べないから辛いですが)、もしくは「学園カゲキ!3(ガガガ文庫刊)」の生徒会長のような外し方にしないと、剣の妄想が市古と八雲こそお似合いだという後ろ向きにしかいかない場合にはどうしても盛り上がりに欠けるかなと。まあそういう意味で残念な今巻でした。
でも、次に期待します。期待するからこそグダグダ書いてしまいました。
次巻を楽しみに待ちたいと思います。
だって、まだ父親襲来という最大のネタを残していますしね。やるとしたら最終巻っぽいですが。


■今日の決めゼリフ

「やったじゃん、やっくん!見事だわ、見事な三角関係の構図が完成しているわ!あの奥手な二人をたった一晩でここまで王道なラブコメ展開に巻き込むなんて、あんたなかなかやるじゃん!」(by 与心夏)
口げんかをしている剣と市古を見ての心夏の一言。
こういうクスリと笑える持って行き方やギャグテイストは好きな作品なんですがね。


ミシュランの星
:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。