小学星のプリンセス☆

小学星のプリンセス (小学星のプリンセスシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

小学星のプリンセス (小学星のプリンセスシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

■独断偏見ミシュラン:★★★☆☆

内容紹介で面白そうなので購入してみる。
著者としては「ナルニアを書こうとしたらラブコメに」ということだが、ストーリーとしては非常にシンプル。幼なじみが見た目が死ぬまで小学生程度の異星人で、所謂押し掛け女房に来たというもの。イラストや設定だけだと、どう見てもロリコンものでしかないが……。
しかし、読み進めると実は根底には「差別問題」という、なかなか重たいテーマが見える。
地球人としては、成人であれ見た目が幼い少女と付き合う・恋人なんてなったら社会的に終わってしまう、てことで必死に隠そうと主人公がドタバタ劇を演じるのはまだよく見る話。
しかし、一歩進んで実は小学星人から地球人を見たときに、「老いる」ということが醜く、地球人は嫌悪の対象であるため、押し掛けてきているヒロインのルリスのほうの立場が危ういという設定は関心させられる。だからこそ、小学星のプリンセスであるルリスが国民に貢との結婚を認めてもらおうと一生懸命に努力する姿が、健気で凛々しく可愛らしく映るのだろう。
計算でやっているかは分からないが、そうした設定とストーリーの組上げが面白い作品です。本作デビュー作だそうですが、今後の活躍を楽しみにしたい作者ですね。大っきなお友達だけでなく、ラノベが好きな方にも楽しんでいただけるかな。


■今日の決めゼリフ

「こんなにも、ルリスのこと、好きだったんだ……」(by 守本貢)
やっと自分の気持ちに気付いての言葉。
しかしまあ、こいつは鈍感過ぎて腹が立ちますな。しかも友人らから「好き」ってことがどんなことか教えられて気付くというのが救いようがないバカです。なので、4つでもいいかと思いましたが3つに。


ミシュランの星
:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。