オトメな文具。 初修復

オトメな文具。 初▽修復 (ファミ通文庫)

オトメな文具。 初▽修復 (ファミ通文庫)

■独断偏見ミシュラン:★★★★

ファミ通文庫」の「フ」は「フラン○書院」の「フ」。


著者の前作「バトルフィールドは空騒ぎ」が結構良かったので購入。もちろんキャラ買いでもある。
しかし、まあ・・・著者のあまりの390度はあろうかという方向転換に若干引き気味。前作はガンアクションとハードボイルド(若干)だったのに対し、今回は「エロ(?)全開」。
なんたって3ページに1回は「フトモモ」「パンツ」「パンティ」の文字が躍ってるし、主人公 創治のセクハラと妄想想像力豊か過ぎる発言の数々は、もはや犯罪を通り越しており女性が読んだらほぼ100%引くんじゃないかと思われる。さらにリペア中のヒロインたちの、せ、セリフがもはやフ○ンス書院。決して満員電車とかで読めん。絶対読めん。どこかに「現実で作中の妄想を実行するのは犯罪行為です」と書かれてるんじゃないかとマジ思った。ファミ通文庫はなんかもういろいろとハードル下げすぎ。
それはさておき・・・アニマテリアルという文具が美少女になってアンチクリエイトと戦いを繰り広げているなかで、主人公がマテリアルズを修理する能力をもったリペアラーとして活躍する物語。
うん、こうした設定は面白いし、物語としても面白いし、なんか2行で書くとまともに見える。
が、ここに思春期男子の暴走な妄想を入れるとこうなるかぁ・・・。主人公の妄想を肯定してしまうと、男としてはいいけど、人として大事な何かを失くしそうで怖い作品です。まあ面白いからいいけど。
ヒロインたちの設定はツンデレ、幼馴染、ツインテールロリ、無表情キャラ、癒し系天然キャラなど、とりわけ斬新でないものの、定番を外さない安定感がありますね。設定と相まって陳腐にならないのがこの著者の好きなところです。


■今日の決めゼリフ

「俺ならその鉛筆を……処女と書いて……オトメと呼びます」(by 吉田創治)

主人公の編入試験の解答。校長に新品の鉛筆を見せられて、それをなんと呼ぶかという問いへの答え。プロローグ部分だけに、思わず「おぉ」と関心してしまったが、読み進めるうちに思いっきり後悔することに・・・。


次点:「ばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかッ!! 人間なんて信じた私の……ばか。」(by 岸谷強子の日記より)

せっかく創治のことを認め、異性として意識し始めたのに、創治がかおりと手を握っているのを目撃し誤解して落ち込んだあとの日記。おもわず「ヤンデレ」かい!と突っ込みたくなったけど、気恥ずかしさと悔しさと不機嫌さがよく現れていて好きな場面ですね。これを面白いと思えるか、こいつヤバイわ引くわと思うかで、この作品に対する評価が分かれるんでしょうね。


ミシュランの星
:死ぬまでにあと1回読めばいいか…。
★★:普通に面白い。2年に1回再読したい。
★★★:結構面白い。1年に1回は再読したい。
★★★★:非常に面白い。やることないなら再読したい。
★★★★★:最高!聖書代わりに枕元に必携。