北九州お茶尽くしの旅2008 最終夜

さあ、いよいよ最終日。
昨晩はさらにに友人J氏と計画を練り直しました。その最終日の計画は・・・
<四日目>
平戸→福岡空港 解散
などと当初は言っていましたが・・・
はい、もはや無理なことは二人も承知。結果こうなりました。

●有田陶器市
伊万里
●嬉野大茶樹
福岡空港
以上が本日の予定。
・・・あれ?平戸?


友人J:
「誰ですか、平戸へ行くなんて言ったの。長崎県ですよ?行けるわけないじゃないですか」
tech_k:
「・・・」


ということで、当初この旅行記のタイトルは「北九州3県の旅」にする予定でしたが、タイトル変更を余儀なくされました。かといって「北九州の旅」じゃあ北九州市と混同するしなぁ、どうしようかなぁ、などと頭を悩ますのは、また後日の話。


閑話休題
最終日スタートです。

有田の陶器市は佐賀県でも最大級のイベント。陶器市としても全国で有数のもの。
ゴールデンウィーク中に開催されるこの陶器市には、なんと30万人が訪れるとのこと。
初日である昨日は祝日で、なんか情報によると朝の8時で駐車場は満車になったとのこと。
本日は平日ですが、すでにゴールデンウィークに突入しているので油断なりません。
有田はこの嬉野からは1時間弱とほど近いのですが、念のために宿を8:30に出ることに。


■4日目:8:00 嬉野温泉「和楽園」
・・・しかし、高い宿に泊まっても長居しない二人。
まあ、まずは朝風呂を堪能し、朝食です。


朝食も干物を自分で焼いたりと豪勢です、

この温泉豆腐が、また秀逸。

さて、この和楽園さん、とてもいいお宿でした。
設備云々ではなく、従業員の方の接客が気持ちいいですね。
結構大きな旅館だったのですが、ハードだけでなく、サービス面でも充実しているお宿でした。また来たいと思います。

大変名残惜しいですが、宿を出て有田に向かいます。


■4日目:9:00 有田
やってきました有田陶器市。嬉野からは意外に近い。
しかし、この時間でもすでに駐車場はどこも満車状態。うろうろと探します。
この有田陶器市は「有田駅」とそのひとつ隣の「上有田駅」との間、約4kmの道すべてが陶器市の会場ということです。
幸い、まだ空いている駐車場を見つけ、さっそく陶器市を見て回ります。

平日朝ということで、まだ人手は多くありませんが、なんというか、圧倒されますね。片側1車線の道路の両端に、陶器屋がずらりと隙間なく並びます。
比喩でもなんでもなく、文字通り「隙間なく」です。普段は駐車場だろう場所にはテントを立てて陶器屋が立ち並び、普段は民家であろう家の前に陶器屋が店を出し、普段は陶器なんて売っていない店だろうと無理やり陶器を売り・・・。こんな道が4km延々と続くわけです。
そりゃあ、30万人来るわけですよ。人間が一生、毎日三食を違う陶器を使ってご飯を食べても使い切れないくらいの種類があるんじゃないですか?

当初1時間程度のつもりでしたが、気が付けば、まだ3分の1も来ていない地点です。
どうせなら有田駅から上有田駅まで歩いて見て回り、上有田駅から電車で戻って来ようということに。
一通り冷やかすだけでも時間がかかるのに、気に入ったものがあっては止まって手に取りを繰り返しているとまったく時間が足りません。
しかしまあ、これだけの規模の陶器市の良いところは、普段は敷居が高すぎて「絶対に入れない」高級な陶器屋に気軽に入れることですね。そういうところも、今日ばかりは扉を開けて入りやすいようになっているうえに、他にも客がいますので、気負いなく冷やかす見学することができます。

こうしたレトロな建物も数多く残っています。
まあ、そんなわけで、そういう楽しみも見つけてウロウロしていると、当然、電車の時間なんてすぐ来るわけです。
この電車を逃すと次は1時間後。息を切らせて乗り込みます。
そうしてやっとこさ有田駅に戻っても、さっき気になったのをやっぱり買いたいとか思うわけです。

結局、再度、少しだけ見てまわり、各々気に入ったものを買いました。友人J氏は清水の舞台から飛び降りるつもりで青い陶器を購入しご満悦。友人J氏の「遥かなる蒼」です。(←このあたりのことはこの先、別の旅行記で)


友人J:
「これで、私の『遥かなる青』が見つかりました。満足」(←ARIA最終巻より)
tech_k:
「いいなあ」

などとやっているうちに、時間はお昼すぎ。急ぎ足で伊万里に向かいます。


■4日目:13:10 伊万里
続いてやってきたのは伊万里
有田から車で30分程度の近い場所にあります。

有田とは違い、山の斜面の小さな集落に工房が集まっています。
道も細く味のある路地です。

有田の陶器市に合わせてくる人が多いかと思いましたが、人がそれほど多くなく、ゆっくりと見てまわれました。短いながらも、町並みの楽しめるところでした。


■4日目:14:50 嬉野大茶樹
伊万里を堪能した後は、嬉野へ取って返し、嬉野大茶樹を見学に。

ここは「うれしの茶発祥の地」だそうです。
車で細い山道を登ること20分程度でしょうか。看板が出てきます。特に駐車場はありませんが、道の脇に駐車できるスペースはあります。




樹齢330年のこの大茶樹は写真では分かりずらいですが、お茶の木としてはバカらしいほど大きいです。背丈は大の大人より高く、周囲は大人15人で手をつないでやっと囲える程度でしょうか。

左端に見える人と比較してみてください・・・

また、ここは山間に茶畑が広がるところ。まわりの景色も絶景です。


■4日目:15:15 福岡へ、その前にちょっと寄り道
さて、あとは福岡空港へ向かうだけですが、せっかく嬉野にいるのですから、嬉野茶を物色したいところ。ちょうど大茶樹から山を下りたところにお茶屋がありますので寄ってみることに。


ちょっとしたドライブインのようなところですが、製茶施設もあり見学もできます。



いろいろな工程を経て、こうしてお茶になっていくんですね。ここはお茶のいい匂いが充満しています。

ちなみに、気になったのはこれ、「つめたいぞと」

よく分かりませんが、水出し茶はお茶ポリフェノールがたっぷり含まれるので血糖値が高い人にお薦めだそうです。これから夏に向けて非常に魅力的なもの。むろん、近所のスーパーでも水出し煎茶とか売っていますが、気分の問題。(無論、味も問題)
試飲しましたが、すっきりとして甘味があり飲みやすい。1箱購入してみます。
これから夏が来ますが(注:書いてるときは・・・)、冷蔵庫にこういうのが入っていると心強いですね。
100円ショップと比べると高いですが、味は本当に絶品。これをしばらく飲んでいたのですが、その後スーパーで買ってきたものを飲んでも、なんか美味しく感じられません。
これは、こんど行ったら何箱でも限界まで買いそう・・・。全国にファンがいるそうです。納得。


■4日目:17:00 キャナルシティ博多 
博多に戻ってきましたが、いまさら知り合いに頼んでおいたグルメ情報が届く。
すると、ラーメンのお薦めとしては「一蘭」、しかもキャナルシティ博多店は限定の器で出てくるとことなので、行ってみることに。キャナルシティは大型の複合商業施設(ショピングセンター)ですね。

おお、カウンターなのに個別に仕切りがあります。

確かにこれなら隣が気にならない。
目の前も店員の顔が見えません。おまけにラーメンを出したら暖簾を降ろすので、まったく誰ともコミュニケーションをとることがありません。

注文はこの注文表に好みの味を書いて置くと、店員さんが持っていきます。

器は「四角形」たしかにラーメンの器としては珍しい。

こうして、走り抜けた北九州お茶尽くしの旅は終わりを迎えるのでした。



■今回の旅の総括 
○今回のお宿はどちらも素晴らしいものでした。特に「星の文化館」は、どちらかと言えば『人に教えたくない、隠れた名宿』になると思います。絶対、また来よう。

○有田陶器市は陶器に興味なくても一度は行くべき。ただし、駐車場は朝早く行かないとなくなるのでご注意を。

○有田まで行ったら、ぜひ伊万里にも足を伸ばすと良いですね。

と、まあ、いろいろありますが、今回は特にイレギュラーで面白いものを拾った気がします。(←旅程が破綻する原因)
星野村のしゃくなげ園とか、名護屋城とか、石橋の館とか、いろいろありましたが、行って本当によかった。たぶん、行かなかったら後悔していたと思う所ばかり。
きっと我々の旅は今後もこうして行くんだろうなぁ(←友人J氏:「勝手に巻き込まないでください」)

これで、九州で残すは長崎県のみ。2009年あたりに一丁行って見ますか。
それでは、またこの地を訪れることを想いつつ、今回は終わりにしたいと思います。

 北九州お茶尽くしの旅2008 第六夜

三日目、現在地は唐津、時刻は16:32。本日のお宿「和楽園」さんへのチェックイン時間は17:30
なのに、これから名護屋城へ向かう二人。
果たして、チェックインに間に合うことができるのか?

tech_k:
うん、それ無理


■3日目:17:00 名護屋城
唐津から車で30分ほどの近い場所にある名護屋城。しかし、嬉野方面とは逆に進むこと30分です。
唯一の心配事といえば、入場時間を過ぎないかということ。こういうとこって16:00までとかありますし。

早速駐車場に車を止め、見学に向かいます。
この名護屋城豊臣秀吉朝鮮出兵時の本拠地に定めた城として有名です。しかし、秀吉の死後は廃城として荒れ放題。現在も石垣などは残っておりますが、建物らしい建物は一切ありません。南九州不完全制覇の時に行った大分の岡城のようなところです。
入場時間については心配いりませんでした。併設の資料館は17:00まででしたが城址は24時間OKのようです。
ここでも入口で入場料を支払うところはありません。ただ、協力金のお願いはしておりました。

とりあえず、時間もありませんので本丸跡へ向かいます。


しかし、この名護屋城は大きい。当時としては大阪城に次ぐ広さですから無理もありませんが、とてつもなく広い。


本丸跡なんてちょっとしたコンサートができる広さです。
さて、その本丸からの眺めですが、

うん、眺めが良いところです。

呼子大橋も望めます。
ここから、あの海の向こうに何万という兵が出兵して行ったんだなぁと、しばし古に思いを馳せます。


■3日目:18:10 本日のお宿へ
さて、いつまでものんびりとしていられません。
時刻はすでに18:20。とりあえず嬉野温泉へ向かいます。

しかし、ナビを見ても完璧に間に合いません。やむを得ず、宿に電話をしてチェックインをずらしました。
とことん、旅程を無視する二人。


■3日目:19:00 嬉野温泉「和楽園」
高速道路の長崎自動車道嬉野ICから10分も走らずに嬉野温泉に到着です。

本日のお宿「和楽園」さんはお茶のコースだけでなく、お茶風呂がある珍しい宿。
せっかくですから、夕飯の前に風呂を楽しみます。
内風呂は普通の温泉ですが、露天風呂は趣があり、自然もたっぷりで気持ちいいです。
肝心のお茶風呂は露天風呂に。露天風呂に大きな石でできた「急須」があり、温泉のお湯がその急須に注がれ、さらに急須からお風呂にお湯が出てくる仕組みになっています。

それだけならただの風呂。なんと急須の中にはパックに詰まったお茶が山ほど入っています。
ということは、急須から注がれる温泉水は「お茶」ということに。
香りはそれほどしませんが、確かに湯の色がちょっと普通と違うかな。
そして、極めつけはなんとお茶のパックが置いてあり、これでマッサージをどうぞとのこと。
お茶風呂に入って、お茶のパックでマッサージをする。この発想はなかった。なんかここまで、お茶尽くしってのはいいですね。

さて、この和楽園さんのお風呂はこれだけではありません。到着が遅れたので他の客が夕飯の時間に温泉に入ったのですが、従業員の方がこの時間にもかかわらずきちんと桶などを整理しに来ていました。これならいつでも気持ちよく温泉に入れますね。ひどい宿はこういう気遣いをしないところもあるので評価です。

お茶風呂を堪能した後はいよいよ夕飯。わざわざお茶尽くしのコースにしたので楽しみです。久々に贅沢をします。
なお、和楽園さんはじゃらん.netなどのネットでも予約ができるのですが、いろいろなプランがあってどれがお茶尽くしのコースになるのかが分かりません。佐賀牛のコースみたいのもありますが、お宿のHPを見てもどのプランで予約をしれば良いかがわかりません。
今回は直接電話をして予約をした(ネット予約でも電話直でも値段は変わらないのでそうした)ときに聞いたところ、お茶のコースは一番安いプランではないということ。お茶尽くしのコースにしたい場合は電話で予約をしてさらにその旨を伝えた方が良いでしょう。単に予約をするだけだとお茶尽くしのコースにならない可能性があるのでご注意を。
で、肝心のお料理ですが・・・

いや、これはすごい。量も多いですが、一品一品が洗練されています。
星の文化館さんと違い、一見して、また味でもお茶が使われているのが分かります。

極め付けにお茶葉を自分ですり鉢で煎って料理にかけるという徹底振り。確かに、かけるのとかけないのでは味が違いますね。
どれも美味しいのですが、気になったのは”茶しゃぶ”のタレがポン酢ではなく、ポン酢とゴマだれを混ぜたものです。こういう食べ方があったのか。ゴマだれは好きではないのですが、これなら食べれます。

そのほか次から次へと運ばれてくる料理に舌鼓を打ちます。うん、ほんと美味しい。我々でお腹一杯なのですから、女性ではちょっと量が多いかもしれませんね。まあ、これだけ美味しければ誰でもペロリといってしまうかもしれませんが。

茶しゃぶです。

このグラタンは美味しかった・・・
こちらの夕食は、どれもお茶の香り、味がダイレクトに楽しめる料理ばかりでした。

たらふく食ったあとは、再度、お茶風呂を堪能し、夜が更けていくところで、続きは次回にしたいと思います。

 北九州お茶尽くしの旅2008 第五夜

さあ、いよいよ三日目スタートです。
昨晩はさすがに友人J氏と計画を練り直しました。結果、三日目の計画は・・・
<三日目>
有田・伊万里唐津名護屋城嬉野温泉 和楽園泊
などと当初は言っていましたが、聖地巡礼を宿題として残してしまいましたのでこうなりました。

●二日市・大宰府方面の聖地巡礼
唐津
嬉野温泉 和楽園(本日のお宿)

以上が本日の予定。完全に押しています。博多から南下し大宰府方面を見た後に、とって返して北上し、海沿いに西へ向かって唐津へ。そして再び南下し嬉野温泉へという、えらい長距離の移動になっています。
まあ、それでも出発です。


■3日目:10:00 聖地巡礼
西鉄雑餉隈駅近辺で聖地巡礼を行い、続いては高校のモデルになった大宰府高校へ。

ちなみに「雑餉隈」は「ざっしょのくま」と読みます。絶対、地元民にしか読めん。
その大宰府高校の次は、まあいろいろ周辺を巡っておりました。
このあたりは自然も一杯でいいですねぇ。

こうした何気ない風景が何気なく出てくるスケッチブックは良いアニメでした。


■3日目:12:00 大宰府
まあ、せっかくですから定番中の定番の観光名所太宰府天満宮へ。





なぜ、牛が・・・

鷽(うそ)の像もあります。デフォルメされててかわいい・・・

この時期は藤が綺麗でした。

さて、ここではなんと言っても「梅枝餅」。参道のそこかしこで焼き立てを売っています。
まあ、詰めが甘いっちゃ甘いんですが、美味しい店をネットとかで探して来なかったので、適当につまむことに。
とりあえず2件で食べ比べをば。
こうして、あちこちで焼いています。


熱々の餅に餡子入っててとても美味しいです。学生時代に一度だけ来た事があるのですが、そのときこの味が忘れられず、ことあるごとに再び食べに来る機会を狙っていました。久しぶりに堪能です。
各店の違いは餡子の味かなと思いました。

ついでに沖縄で有名なブルーシールがありましたので、買ってみました。

さあ、こうしていよいよ唐津に向けて出発です。

tech_k:
「おかしいなぁ。昨日の計画では11:00には唐津へ向けて出発しているはずなんだが・・・」
友人J:
「・・・それは、おかしいですねぇ。まあ、思ったより聖地巡礼は見ごたえがありましたから」


■3日目:13:30 唐津
この後西鉄二日市駅周辺で聖地巡礼をした後、大宰府ICから博多を通り、博多湾沿いに西へ向かいます。高速道路からは福岡ドームなども見えました。

海沿いの高速道路を一路西へ向かいます。


■3日目:14:30 虹の松原
計画では13:00過ぎには着いているはずだったですがね。とりあえず唐津に到着です。
唐津といえば、「虹の松原」「唐津城」「鏡山」「唐津焼
まずは、道すがら最初に現れた虹の松原から。
要は海岸沿いの松林なんですが、やはり名所だけあってすごい。これだけの松林は珍しい。
松林を突っ切る道は昼間でも日が差し込まずに涼しげです。
途中に無料の駐車場がありましたので止めてゆっくり松林を歩くことに。
どうやら目の前は海岸なのでそちらを先に見てみます。

松林を抜けるとそこには海が。

おぉ


まだ海水浴の季節ではありませんが、今日は曇りがちながら日差しが暑く、海風が心地よいです。
綺麗な白い砂浜。いいですねぇ。しばし、ボ〜っと海を眺めます。

続いて松林を少しだけ散策。


昼間でも薄暗い。
しかし、見事な松林です。


■3日目:15:00 鏡山
続いて鏡山に登ります。
山頂まで車で行くことができます。
休日ということもあり、結構な台数分ある駐車場のほとんどが埋まっています。整理の方も出ています。

山頂ですが大きな公園になっています。

公衆トイレの入口に「トイレ」といろんな国の言葉で書かれています。
どの国の言葉かは裏側に正解が書いてありますので、ぜひ自分の目でお確かめください。

山頂には大きな池もあり、遊歩道も整備されていてかなり見所があります。
しかし、すでに宿に入る時間が押しているのでゆっくりもしていられません。
展望台は東と西の二箇所ありますが、虹ノ松原を一望できるのは「西展望台」。さっそく向かいます。


おお・・・こりゃあすごい。思わずため息が漏れます。


こりゃあ、死ぬまでに一回は見ておくべきですね。はるばる来た甲斐がありました。

思わず時間も忘れて見入ってしまいます。
なお、この展望台のすぐ横に、ハンググライダーの離陸場所がありました。

山頂には休日だからでしょうか何人もハンググライダーで飛び立つ準備をしている人がいました。

さて、この山頂にも2件ほど唐津焼きを売っている工房があり、覗いていましたが、ふと目に留まったものがあったので購入。

予断ですが・・・

友人J:
「展望台のところの広場に女性の像があったじゃないですか」
tech_k:
「いや・・・気付かんかったな・・・」
友人J:
「何見てたんですか。いやそれよりですね、なんか横の説明が面白くて」
tech_k:
「ほう、なんて書いてあった?」
友人J:
「秀吉の朝鮮出兵の時に海に出て行く男を見送る恋人がいて、もう会えないかもしれないという悲しさから、居ても立ってもいられず、一気に鏡山を駆け上り・・・
tech_k:
「ちょい待て、一気に駆け上りって・・・」
友人J:
「駆け上り、着ている服を脱いで去り行く船に振っていたそうです。で、
tech_k:
「でって、まだ続くのか」
友人J:
「で、それでも悲しみは尽きず、今度は一気に鏡山を駆け下りて、海へ入ってそのまま溺れて死んでしまったそうです」
tech_k:
「・・・もはやどこから突っ込んでいいか分からん」


■3日目:15:55 唐津城
続いては鏡山からも望むことができた唐津城に向かいます。
この唐津城唐津市街の北部に位置し、松浦川唐津湾に注ぐ河口の左岸、満島山に位置します。唐津湾に突き出た満島山上に本丸が配され、その西側に二の丸、三の丸が配された連郭式のいわゆる平山城です。



鏡山ほどの高さはないですが、海が近く、また虹の松原も見渡せる、風光明媚な城です。当然、天守閣に登って見渡します。


いや、こちらも鏡山に負けず劣らず素晴らしい眺めです。

すっかり唐津がお気に入り。これはもう一度来たくなる場所ですね。じっくりと回りたいです。


さて、唐津城を出ましたが、時刻はすでに16:32。本日のお宿「和楽園」さんには17:30チェックインと伝えています。ナビで時間を見てもここからだとギリギリです。

友人J:
「せっかくですから、呼子名護屋城に寄って行きましょう」
tech_k:
「え?完璧に間に合わへんで?」
友人J:
「どうにかなりますって。それより、ここまで来て名護屋城を見て行かなくていいんですか?行くべきですって」
tech_k:
「いや、だから、どうにかの『どう』を具体的にだな・・・」


という、妙に楽観の友人J氏の甘言(←諫言じゃない)によって、急遽名護屋城まで足を伸ばすことに。まあ、最初は行く気でいたからいいっちゃいいけど・・・。

こうして、破綻しまくりの計画は横に置いておき、一路名護屋城へ向かうところで、続きは次回にしたいと思います。

 北九州お茶尽くしの旅2008 第四夜

二日目も早々に寄り道で旅程が破綻してしまった二人。現実逃避のように心和ませていたしゃくなげ園を後にし、一路八女方面へ向かいます。


■2日目:12:20 星野村 棚田
宿でもらった観光地図によると、全国でも有名な棚田があるとのこと。
確かに茶の文化館でも写真が展示してありました。地図を見ると八女方面へ向かうのにちょっと寄り道をする程度。
ならば、当然寄らなければなりません。
地図に載っている場所までいくと、展望台と駐車場・・・といっても車4台分のスペースですが・・・が現れます。

展望台から眺めてみると、ちょうど谷を挟んで向こう側に棚田が見えます。

いやぁ、実物は初めて見ましたが、圧巻ですね。人間てたくましいなと思ってしまいます。
山の上から谷の下まで、段々に連なる水田は「すごい」の一言に尽きます。
しばし、その圧倒的な光景を眺めます。

残念なのは、まだ田植えが始まっていないため、緑が見えないことですね。田植え後、あるていど稲が育ってきたときに訪れると、また違った光景が見れることでしょう。まあ、稲が植わっていなくても石垣が見事ですけどね。

ささ、いつまでも和んでいられません。八女方面へ向け再び出発です。


■2日目:12:50 ほたると石橋の館
昨日、八女から星の村へ向かう道に平行して流れる川沿いに、何箇所か美しい造詣の石橋を見かけ「おぉ」と思っておりましたが、「ほたると石橋の館」なるものがあるということで、八女へ向かいつつ寄ってみることに。

このすぐ横に石橋があるようなので、見学をしてみます。

ちょっと上流に真新しい吊橋もありました。

さて、一息ついたところで八女を再び目指します。


■2日目:13:40 八女大茶園
お茶好きの友人J氏が放って置くわけもなく、八女市に入ったところで友人J氏が「八女大茶園」に寄りたいとのこと。
ということで、看板を手がかりに向かいます。
八女といえば全国にも名を馳せるお茶の一大産地。その八女茶を支える大茶園は、文字通りお茶畑な訳で・・・何が面白いの?という人もいるかもしれません。
しかし、看板の案内するままに車で山道を登っていくと、いきなり一面のお茶畑が現れます。

すごいですよ、見渡す限りのお茶畑。
そのまま、車一台がやっと通れるような道を周りを見ながらノロノロと上って行きます。当然車なんて来ない。
すると、やがて山というか丘の上の展望台につきます。ここが突き当たりのようです。
さっそく山の上から見渡します。

いやあ、こりゃすごい。ただのお茶畑なんですが、ここまで広いと言葉が出ません。

遥か向こうに八女の街並みが広がっていますが、そこまでの山並みはすべてお茶畑。
北海道で一面の麦畑とかは見たことありますが、ここまでの規模のお茶畑は見たことがありません。
これは隠れた名所発見です。


■2日目:14:00 佐賀県
tech_k:
「おかしいなぁ。『昨日』の計画では12:00には昇開橋に着いているはずなんだが・・・」
友人J:
「・・・それは、おかしいですねぇ」

などと会話をしつつ、八女ICをスルーし、そのまま西へ一般道をひた走ります。
八女ICからは約20km。それ程遠くはないなと思っていたら、これがまた結構道が混んでいます。
気が付けば昼飯も食っていませんが、相変わらずこの二人の旅は夕飯を食いすぎるので翌日の昼飯を抜くことが多い。結局、昼飯も食わずに向かいます。
破綻した計画がさらに押す。無計画ぶらり旅のなせる業ですな。


■2日目:14:50 筑後川昇開橋(ちくごがわ しょうかいきょう)
福岡県と佐賀県の県境に流れる筑後川。その筑後川有明海に注ぐ場所からほんの少し上流に「筑後川昇開橋」が存在します。
この昇開橋はかつての鉄道橋。大型船が行き来できるように、長い橋の真中部分が上昇する仕組みになっているのが特徴。
勝鬨橋みたいに跳ね上げ式ではなく、文字通り橋の真ん中部分がエレベータのように垂直に昇って開く橋です。上下に昇降する可動式の橋は全国でも珍しい。
ここは昭和62年に廃線になった旧佐賀線の鉄道橋です。現在こそ廃線のために鉄道は走っていませんが、観光名所としてこの橋は歩いて渡ることができる遊歩道になっています、かつ1時間に1回、観光のためにいまでも橋を昇降しています。



こうして駅舎跡を抜けていきます・・・
が、

あれ?門が閉まって・・・え?月曜は休み
なんと月曜は休みのため、橋を渡ることも、真ん中部分を上昇させることもないようです。
なんとも残念な話。てか、行き当りばったりだからなぁ。


本当ならここを歩いて行けるわけです。

しかたありません。こうなれば、遠景からの雄大な姿を望むのみ。

昇開橋上流の中洲南端まで車で戻り、遠くから橋全体を眺めます。


あの真ん中が上がっていくわけですね。

橋が昇った姿はこちらで確認ください。橋の稼働時間も載っています。
http://www.yado.co.jp/hasi/fukuoka/tikugok/tikugok.htm


■2日目:15:25 突然思いつく
ここから鳥栖へ行くにしても二通りの道があります。
ひとつは来た道を戻り、八女ICから高速道路で鳥栖へ。
もうひとつはここから北上し、長崎自動車道(高速道路)から鳥栖へ。
そうしたときに、実は、この昇開橋から北上すると「吉野ヶ里遺跡」を通ることに気づきましたので、無理やり北上ルートにすることに。

tech_k:
「普通、ああいうとこって16:00とか17:00までやんなぁ」
友人J:
「まあ、行ってみれば分かりますって。大丈夫でしょう」

なぜか今回の旅は友人J氏の方が楽観的


■2日目:16:00 吉野ヶ里遺跡
当初、この吉野ヶ里遺跡に行きたいと行ったのは私でした。
はっきりいって友人J氏はまったく興味なし。
というか、私も興味ないですが(←ひでぇ)、こういう教科書に出てくるようなところ、特に修学旅行とか近場の学校の遠足とかでしか来ないような「遺跡」は、見るチャンスさえあれば一度は見てみたいというのが人情じゃないですか。
そんなわけで、絶対二度と来ないからこそ見てみたい。てな、えらく失礼な考えで時間もないのに無理矢理寄ってみることに。(←やっぱり、ひでぇ)

日本最大級の遺跡のわりには、入口はえらい近代的な造りの建物です。
チケット売り場で閉園時間をみると、残り1時間。

友人J:
「ほんまに入るんですか」
tech_k:
「ほら、高見櫓とかそういうのだけでも、見とこうや。二度と来ないかもしれへんし」
友人J:
「そんなこと言って、えらい気に入ったりしはりませんか?」
tech_k:
「・・・いや、ないと思うけど、そん時はそん時で」

ということで、とりあえず入ります。
入口から橋を渡って入園すれば、そこはもう縄文時代
てなキャッチフレーズがあるかは知りませんが、そんな感じです。
もう、ほんとだだっ広い。無駄に広い。一つの集落をまるまる復元させただけあって、東京ドーム何個分かはしりませんが、それだけの広大な敷地に縄文時代の集落を再現しています。
これは全部見て回ろうとしたら1日かかります。とりあえず、見るべきものを定めて足早に向かいます。
平泉の金色堂のようなことがあっても全く悟らない二人。(id:tech_k:20071224)




でも、高見櫓などに登れば、それはそれで楽しいもんですね。見晴らしもいい。

まあ、高床式倉庫や竪穴式住居などもあり、ちょっとしたアスレチックみたいですね。



一番大きい建物はとても大きい。

中はこうなっていて、政治の中心のような感じ。
うん、これはこれで、ありかなと。一生に1回くらいは来てみるのもいいでしょう。

ただ、ここはちょっと人工くさいと感じました。堀とかが土でなく、それらしく色をつけているものの、セメントで固められています。ちょっともったいない気がしました。堀はそこかしこにあり、人目に触れるのでこだわって欲しかったですね。その意味で青森県三内丸山遺跡の方が土の匂いがして良かったかなと。

さあ、時間がありませんので、早々に戻って鳥栖へ向かいます。


■2日目:17:00 鳥栖アウトレットモール
別に買いたいものがあるわけでもなく、思い付きで寄ってみたアウトレットモール。まあ、九州最大ってのに踊らされただけなんですがね。


まあ、とりわけ何がってのはないです。確かに大きいので買い物目的で来れば楽しいでしょう。品揃えもいいと思います。


■2日目:19:30 博多某ホテルから夕飯へ
本日のお宿は博多のビジネスホテル。
天神まで徒歩10分と少し距離があります。到着が遅くなりましたのでとりあえず荷物を置いて天神へ向かいます。

友人J:
「買いたい本があるので・・・」

ということで、旅行先にもかかわらず、某本屋、いやメロンで本を買うことに・・・。
なぜ、なぜ旅行先で?まあ、発売日だし。

などと、これじゃあ普段と変わらんことをしながら、ラーメン屋を探します。
しかし、あれですね。ガイドブックにいろいろとラーメン屋が載っていますが、天神駅周辺はものの見事にありません。まあ確かに何回か来ているけど、ラーメンってどこで食うか悩むよなぁいつも。
かといってヘトヘトに疲れているので屋台に行く気も起きず、それでも近場のラーメン屋へ。


■2日目:21:00 だるま屋
宿からも比較的近いのでラーメン屋の「だるま屋」さんへ。聞いたことありますね。
地元の人からすれば、もっと美味しいとこあるのにというのがあるかも知れませんが、いかんせん右も左も分からない旅人にとって、ガイドブックに載っている店は一定の水準が保たれているので安心感あります。気軽に屋台に入ろうものなら失敗した、ってのもよくある話。

博多どんたく前後限定の「どんたく盛り」。やはり限定ならば行くしかありません

うん、全部乗せ見たいな感じでボリューム感あります。

こうして二日目の夜が更けていくところで、続きは次回にしたいと思います。

 北九州お茶尽くしの旅2008 第三夜

■2日目の計画
さて、2日目の旅程ですが、当初は・・・
<二日目>
AM聖地巡礼(続き)→福岡泊
などと言っていましたが、昨晩天体観測の後、ああでもないこうでもないと検討した結果、次の通りに。というか、正直2日目を決めるので手一杯。

●茶の文化館
筑後川昇開橋
鳥栖のアウトレットモール
●時間があれば大宰府近辺のスケッチブック聖地巡礼(最悪3日目持ち越し)

以上が本日の予定。聖地巡礼の残りは基本3日目に持ち越す方向で旅程を修正。
「茶の文化館」は星の文化館と対になる施設で、少し離れたところにある、星野村のお茶に関する資料館です。当然、お茶マニアの友人J氏が放っておくわけがない
筑後川昇開橋」は前日ガイドブックで見つけて、行っとこうということに。八女ICから片道20km、往復1時間といったところなので急遽組み込み。
鳥栖のアウトレットモール」は同じくガイドブックに載っていたので、ただなんとなく。
すでに「時間があれば聖地巡礼」と言ってる段階でダメダメな感じになり始めているこの二人。


■2日目:8:50 星の文化館「レストラン北十字星」
朝食は夕食と同じレストラン。

豪華ではありませんが、夕食からは一転質素な和食なので疲れた胃に優しい。
レストランからは星野村が一望でき、日が昇るとこの星の文化館が山の上にあることがよく分かります。


さて、名残惜しいですがチェックアウトをして茶の文化館に向かいます。
その前にお土産の物色を・・・。

なんと新聞にも紹介された大人気商品が「トイレットペーパー」。なんか使うのがもったいないですが、ネタとして購入。


■2日目:9:30 星のふるさと公園
茶の文化館は10:00より。
ということで、少しだけ早めにチェックアウトをして、昨日道すがら見つけたつつじの見学に。
昨晩来た山から降りてくると、温泉館のすぐ下の斜面に咲いています。


見事ですねぇ。

続いて、来る途中に池が見えたので寄ってみることに。

こちらはキャンプ場の敷地内ですね。出入りは自由のようです。

麻生神社だそうです・・・いまなら旬なネタに・・・


池に浮かぶ弁天様のお社もいい雰囲気です。朝なので爽やかです。

■2日目:10:00 茶の文化館
時間になりましたので茶の文化館へ。

平日ですがGW中ということもあり、意外と人がちらほらいます。
文化館といっても一つの大きなホールにお茶に関する展示物があり、その他にはお土産売り場と喫茶室があるだけです。こちらの喫茶室でもお茶の料理(茶そばとか茶粥とか)が楽しめます。
ただ、11:00から営業とのことで、本日は断念。

こうしたパネルで解説しています。

小さくて解りづらいですが、イギリス人てどんだけお茶飲むねんという感じです。



2階部分に茶室がありました。

また、入場料にはお茶代が含まれており、ホールの一部でお茶を楽しめます。

玉露のしずく茶と・・・あと確か煎茶だったと思いますが、その2つから選べます。
当然、星野村名産の玉露のしずく茶」に。

器に直接茶葉を入れ、フタで上手いこと茶葉を防ぎながら飲む形式です。中国茶にもこいう形式があったかと思います。まあ、ぶっちゃけ「カップ焼きぞば」の湯切りの要領ですな。

さて、さっそくひと口目を口に含みますが・・・・・・・

え?
これ、本当にお茶?

というのが感想です。
一煎目はもはやお茶ではありません。甘い。とにかく甘い。「お茶」というイメージで飲むとまったく違った味を感じます。こんなことは今まで体験したことはありません。
口から爆発しそうなほど甘さが広がります。

そして二煎目。まだ、甘い。イメージのお茶の味はまだしません

三煎目。やっとここで、かろうじて「お茶」のイメージの味がします。

実は和菓子が付いているのですが、四煎目までは口を付けないで下さいといわれていました。それも道理。三煎目もこの味ではお茶菓子は返って邪魔。

さらに四煎目。やっと知っているお茶の味がします。でも、ぜんぜん渋みがありません。
お茶菓子を楽しみながら一服です。

で、これで終わらないのがこのしずく茶の凄いところ。
なんと、なんとですね、四煎目を飲み終わったあとに器に残っている茶葉。
この茶葉に酢醤油」を掛けて食べるんです。


tech_k:
「し、信じられねぇかも知れないが、今、目の前で起こったことを話すぜ」
友人J氏:
「2ちゃん風中継はええですって」


いや、これは、すごい。何がすごいって、お茶葉がぜんぜん渋くないんですよ?
普通、出がらしのお茶っ葉なんて「渋い」ってイメージがありますが、まったく渋みはありません。
菜っ葉の「お浸し」を食べている感覚です。
残った茶葉まで食べつくせるとは、恐るべし星野のしずく茶。
これは、ぜひ体験していただきたい。これだけのために来る価値は十分にありますね。


■2日目:11:00 まだ茶の文化館
しずく茶の威力に恐れおののき、当然このしずく茶は買って返らねば!ということでいろいろお土産コーナーで買い込みまして茶の文化館を出ます。
館の出入り口の外には、地元の方々が出店・・・といってもお茶関係ばかりですが・・・を開いています。
こちらも眺めていると、売り子のおばちゃんが
「しゃくなげ見に行かないの?」
と聞いてきます。話を聞くと星野村の奥にしゃくなげ園があり、昨日来た観光客の方が行ってきて今が見頃だと言っていたそうです。
そう言われると「せっかくだから」ということで早速行くことに。この段階で本日の予定がすでに破綻。(いつも通り?)


■2日目:11:30 星野村しゃくなげ園
茶の文化館から山を下り、星野村の中心部を抜けてさらに村の奥に進みます。
細い道を抜け、山を登ること数十分。山の中にいきなりしゃくなげの花が一面に広がります。

小さいながらもきちんとしている駐車場に車を止め、さっそく見学します。
(みごとなしゃくなげの斜面が見えてから、少し登ったところが入口で、駐車場完備です)
なお、基本入園無料ですが、入口にしゃくなげ園維持のための寄付をお願いしますというBOXがあります。

数百円のことなので、こういうのは、まあ払いましょうや。この景色をぜひ維持していくために協力しましょう。

山の斜面が一面のしゃくなげ。色とりどりで美しい光景です。
おもわず、ぐんぐんとひとりでに散策してしまいます。


しゃくなげの木は背が高いので、花に囲まれて息苦しいくらいです。

いや、これは来て良かった。スルーするにはもったいないところです。
山一面のしゃくなげ畑に花の香り。そして眩しいくらいのポカポカな日差し。心休まる時間が過ぎていきます。

こうして、計画が破綻しているのもかまわずに、しゃくなげ園で心和ませているところで、続きは次回にしたいと思います。

 北九州お茶尽くしの旅2008 第二夜

■1日目:13:20 ちょっと寄り道
昼食の後も聖地巡礼を続けます。
次は四王寺山(聖地巡礼)に向かいますが、途中でつつじの綺麗な場所を見つけましたので寄ってみます。
道を走っていたら、ふいに横に見えたので思わず道をそれてしまいました。


地元の小さな神社だったんですね。貴船神社とありました。
こうした名もなき場所るるぶ的な意味で)にふと立ち寄れるところが個人旅行の醍醐味。気になったところは積極的に拾っていきます。


■1日目:13:40 四王寺山(太宰府市宇美町の境目あたり)
ハイキングというわけではないですがちょっと山登りで、宇美町大宰府市の境界線あたりにある四王寺山にやってきます。ここも聖地巡礼
山といっても宇美町太宰府市をつなぐ峠道なので車で行くことが可能です。





展望場所からは大宰府の街並みが見渡せ、眺めも良く、空気も爽やか。とてもいいところです。
・・・まあ、普通の観光客は来んわなぁ。それでも10台も止めれば一杯になる駐車場は常に満車に近く、子供連れやカップルなどが眺めを楽しみに来ていました。きっと地元の人などがちょっとドライブやハイキングに来るのでしょう。
眼下には大宰府市の町並みが広がり、鳥の鳴き声、爽やかな風、緑あふれる木々に、ちょっとした広場があり、和みますねぇ。また来たいと思いました。


■1日目:15:10 本日のお宿へ
などとのんびりしていると、いつの間にかいい時間。ナビに宿を入れると到着予定18:00とかいいやがります。本当はこのまま大宰府へ抜けて聖地巡礼の続きをと思っていましたが、明日以降へ持ち越し。
「いい宿なんだから今回こそ17:00には入ろう」などと言っていましたがいつもと変わらない状況になってきました。
さて、ここからは高速に乗るほどの距離ではないので一般道で鳥栖を経由し八女へ向かいます。

まあ、道中なんてことはないんですが、一般道を行く場合に鳥栖〜八女間が大変混み合います。これなら高速使えばよかったとちょっと後悔。


■1日目:17:20 星野村 「星の文化館」
目標の17:00を越えましたが、いよいよ本日のお宿「星の文化館」に到着です。
おおおおお、なんか入口からして期待大!

星野村八女市の東に位置する山間の小さな村になります。八女ICから車で1時間弱になるでしょうか。八女といえばお茶で有名ですが、この星野村もお茶どころ。特に玉露で有名なところだそうです。
また、比較的高地にあり空気が澄んでいるため天体観測に適しているとのことで、こうした「星の文化館」があり、ここはプラネタリウムや「天文台」などの施設がある観光施設です。おそらく、天文台が先にあったのかも。
そした、この施設には、わずか9室のみですがプチホテルが併設しており、そこでお茶の創作料理が楽しめるわけです・・・・・てか、よくこんなとこ見つけて来たな友人J。
もちろん、予約は電話受付のみ。ネットでは空室検索のみ。

詳しくはHPで
http://www.hoshinofurusato.com/hoshinobunka/

さっそくチェックインして部屋に入りますが・・・・


おおおおおおおおおおおおおおぉ!すごい!なんですかこれは!
「文化館」なんて名前に騙されたらいけません。こんないい部屋、普通のホテルでも滅多にありませんよ。
雰囲気や造りは、まるで「オーベルジュ土佐山」さん(id:tech_k:20060706)のようで、木の温もりがふんだんに感じられる部屋です。
素晴らしい。素晴らしすぎです。


■1日目:18:30 星の文化館内「レストラン北十字星」
部屋で一息ついた後は早速夕食に。目当てのお茶の創作料理です。夕食は館内施設のレストランでの食事となります。



いや、これがびっくり。山間のプチホテルの食事でこんな豪華ですか。
とても美味しいフルコースでした。

友人J氏:
「そういえば、このお茶の創作料理コースになる宿泊料って一番高いじゃないですか」
tech_k:
「ふむ」
友人J氏:
「よく見ると、ナイフとフォークの数が他の席より多いんですが・・・」
tech_k:
「ほう」
友人J氏:
「それでですね・・・料理が懲りすぎて、どこにお茶を使ってるか分かりませんねぇ」
tech_k:
「まあ、美味いからええやん」
友人J氏:
「この緑色のソースはお茶が入ってると思うんですよね」
tech_k:
「まあ、美味いからええやん」

という会話があったかは定かではありません。


■1日目:20:00 星野温泉館きらら
星の文化館には残念ながら大浴場はありません。(個々の部屋に立派なお風呂は付いている)
そこで、星の文化館から車で2分足らずのところにある「星野温泉館きらら」に行くことにしました。チェックイン時に割引券ももらえました。
なお、車で2分ですが、歩きは不可能です。急な坂道を下って行くうえに(帰りの登りは風呂に入った効果をすべて台無しにする)、外は真暗闇です。


ここは宿泊施設「池の山荘」に併設の温泉館で日帰り入浴も可能な施設です。時間は22:00まで。
自然に囲まれた温泉で、露天風呂は特に気持ちいいです。
詳しくはこちら
http://www.hoshinofurusato.com/ikenoyamaso/


■1日目:21:30 星野文化館 プラネタリウム
さて、温泉も堪能し宿にもどってきましたが、星の文化館の最大のウリは、なんと宿泊者専用プラネタリウム上映」天文台見学」が実施されること。
まずは、プラネタリウムを30分ほど上映です。都会の大きなものとは違いますが、それでも20〜30名程度は見ることのできるくらいの大きさ。プログラムは月替りのようです。
いやあ、久しぶりに見ましたが、いいもんですねぇ。
しばし、宇宙の不思議に触れます。


■1日目:22:00 星野文化館 天文台
プラネタリウムの次は天文台の見学です。
天体望遠鏡のある施設まで階段を上がります。
天体望遠鏡なんて実物は初めて。めったに見れるもんではありません。
しかも、単に見学だけだと思ったら、実際に覗かせていただけるということ。
天文台天体望遠鏡を使っての観測会。これは貴重な体験です。
この日は、親子三代家族旅行に来ている方で部屋が半数以上埋まっているため、小さい子供も沢山います。子供はもうそれは大喜び。・・・まあ、男二人は私らだけですな。
おお、やっぱ実物はでかい。

ゆっくりと目的の星を追尾するために動きます。すべてコンピュータ制御。
また、当然、屋根も回転します。なんか、秘密基地っぽくてかっこいい・・・。

この日は残念ながら薄曇り。ですが、いくつか見ることができました。
中でも「土星」は輪もきれいに見えてよかったです。こんな土星を自分の目で見るのは初めてで貴重な体験ができました。
宿泊者だけですので、全員がじっくり見ることができます。
いやあ、大満足です。時間も忘れて気付けば23:30を過ぎる時間までみんなで星を追っていました。
なお、4月下旬で昼間はTシャツ1枚でもいいくらいですが、さすがにここは標高も高く薄手のジャンパーを着ても寒かったですね。

当然、曇りや雨など天候によっては実際に天体観測ができないことがあります。その場合は運が悪かったということでノンクレームでお願いします。


こうして1日目の夜が更けていくところで、続きは次回にしたいと思います。

 北九州お茶尽くしの旅2008 第一夜

◎いまさら書いていることに言い訳はしない。
聖地巡礼はこちら→id:tech_k:20080910

■今回の旅行計画(そして今回も長い)
誰に見せるでもなく覚書として書いているつもりの日記なので、私の旅行記は前置きである「旅行計画」の章が長い。そもそも「旅に出る」というものは何かしら切掛けが必要で、さらに個人旅行ならば旅程をどのように組むかということが旅そのものを左右するということがある。また、次の旅への反省という意味もある。そのため、どうしても私はこの前置きを飛ばして書かないため前置きが長くなる。

言い訳終了(あれ?)
閑話休題

放映が終了して1年近く経ちますが、「スケッチブック〜Full Collar’s〜」というアニメ番組がありました。ほのぼのとした、とある高校の美術部の日常の物語で、友人J氏が殊のほかお気に入り。この旅行を考えているころ(2008年4月)ではすでに一足先にざっくりと聖地巡礼をしてきておりましたが、やはり行けないところもあったのでじっくり行きたい・・・ということで新緑も眩しい2008年GWの真っ只中に聖地巡礼を行うことに相成りました。(←とは言え、私も結構好き)
しかし、ただの聖地巡礼だけではいかがなものか、ということで八十八夜も近く、「お茶マニア」の友人J氏の血が騒ぐのか、「お茶どころでお茶尽くしの料理を味わう」というプランが飛び出す一方、わたくしもTVで見て惚れた「唐津(特に鏡山)」に行きたいと応戦し、結果、たった2県で1000kmを走破するというなんとも凄まじい旅になってしまいました。
当初は、聖地巡礼のついでに長崎・天草・熊本(通潤橋を見る)ということだったのですが、あまりに移動が長すぎで断念。やはり天草の遠さはネック。一からプランを練り直し。

<二人の行き先希望>
○スケッチブック聖地巡礼(これは確定)
○お茶所でお茶尽くしの料理を(どうせ泊まるならこういうとこで、友人J氏の意向優先)
唐津(tech_k)
○足を伸ばして平戸の教会など(友人J氏)
○できれば吉野ヶ里遺跡(tech_k)

5つしか希望が出ていなかったのですが、宿が決まると同時に行きたいところがホイホイ出てきます。

<二人の行き先希望(再)>
○スケッチブック聖地巡礼(友人J氏曰く1日半かかる見込み)
星野村 星の文化館でお茶の創作料理(宿泊)
嬉野温泉 和楽園でお茶尽くしコース(宿泊)
唐津名護屋城(譲れん)
○平戸の教会など(←友人J氏の希望、ここ重要)
○有田で陶器市があるそうだ
○なら伊万里も行かなきゃ

と、こうなりました。唐津も平戸も高速道路が通じていないので結構遠いということで、一応3泊4日とすることに。
・・・で、盛りに盛り込んだ旅程案は以下の通り

<一日目>
福岡空港集合→聖地巡礼→早めに切り上げ「星の文化館」泊
<二日目>
AM聖地巡礼(続き)→福岡泊
<三日目>
有田・伊万里唐津名護屋城嬉野温泉 和楽園泊
<四日目>
平戸→福岡空港 解散

うん、意外とコンパクトな旅程にまとまりました。いい感じです。
それではいよいよ出発です。

(注)
今回は聖地巡礼が3分の1ぐらいを占める(予定)ですが、聖地巡礼に関しては旅行記としては一般向けでないので、らき☆すた聖地巡礼(京都編)の時のように(id:tech_k:20070924)、観光地として面白いところはピックアップし、一般観光向けでないところはさらっと流します。


■1日目:9:30 福岡空港からレンタカー屋へ
前述のような旅程にしていたものの、実際のところは行き当たりばったりもいいところ。
当然のように「るるぶ」「まっぷる」などの観光ガイドブックをとりあえず鞄に詰め込んでの福岡入りです。しかし、ここで言いたい。なぜるるぶ佐賀」は書店にないんだ?5件は大手書店を巡ってやっと見つけた・・・

友人J:
「とりあえず、2日かけて聖地巡礼をするので3日目以降どこに行くか真剣に考えましょう」

ということで旅程は考えてあるものの、決まっているのはスケッチブック聖地巡礼と宿のみという体たらくでスタートします。香港の時id:tech_k:20070326)よりはマシでしょうか。


■1日目:10:15 志免町 志免鉱業所竪坑櫓(しめ こうぎょうしょたてこうやぐら)
(地図)
http://maps.google.co.jp/maps?f=q&hl=ja&geocode=&q=%E5%BF%97%E5%85%8D%E7%AB%AA&sll=36.5626,136.362305&sspn=31.231005,59.414063&ie=UTF8&ll=33.589098,130.487752&spn=0.015909,0.029011&z=15&pw=2

スケッチブック聖地巡礼の最初の地は志免町になります。福岡空港から車で5分という近場。
各シーンの背景によく映っていた建物がこの「志免鉱業所竪坑櫓」




絡まる蔦が歴史を感じさせます。

なお、詳しくはこちらで説明されています。
http://all-a.net/a_map/jp_fukuoka/shime.html
友人J氏もすでに行っている(id:knyaci_j:20080112)ここは、普通に観光名所として面白い。
博多・天神なんてのもいいが、せっかく近場でこういうところがあるので、余裕があれば来てみるのもいいですね。近代日本の成長を支えた遺跡として一見の価値ありです。
残念なことに崩壊が激しく倒壊の危険性が高いため、最近では従来の柵からさらに外周を柵で囲い、より近づけないようになっています。

予断ですが、車で行く場合は、すぐ横に「志免町総合福祉施設シーメイト」というのがあるのでそこの駐車場に止めることができます。


■1日目:11:00 志免鉄道記念公園
志免竪坑櫓のすぐ近く(段下と言った方が早い)にあるのが「志免鉄道記念公園」
といっても別にSLとかがあるわけでもない。ここは旧志免鉄道の駅跡をそのまま公園にした場所になります。
奥に前述の志免鉱業所竪坑櫓が見えます。



面白いのは、駅のホームをそのまま残していることです。あまりこういう鉄道公園ってないですね。
さらに、ここでは、なんとホームのど真ん中を、二分割するように道路が走っていることです。なかなか壮観ですね。

わかりずらいですが、ホームを分断するように道が左右に伸びています。

なお、詳しくはこちらで説明されています。
http://www.fukuokayokatoko.com/spot_history/fukuoka/no_013.html


■1日目:12:10 牧のうどん
思いのほか聖地巡礼で時間が取られました。特に鉄道公園はシーンが多く、ああでもないこうでもないと構図探しに懲りすぎましたね。
ということで、すっかり昼食タイム。
友人J氏が飛行機が着陸した時に見たといううどん屋に行くことに。この後行くところとは方角が反対ですが、福岡空港まで車で5分ですから。
しかし、福岡まで来て「うどん」かい、と思わなくはないですが、この「牧のうどん」さんは福岡にチェーンを持つ非常に有名で大人気のうどん屋さんだそうです。

実際、昼時を少し過ぎたところですが、駐車場にはひっきりなしに車が出入りし、入口も人があふれんばかりに並んでいます。
それでも結構回転が早く、さほど並ばずに座ることができました。

「ごぼ天・ワカメうどん」に「かしわ」。かしわとは「鳥めし(かしわ飯)」のことで、要は鶏肉の入った炊き込みご飯です。
で、肝心のお味の方ですが・・・値段と味のバランスが取れているということで。
えーと、多分、九州外の方で初めて食べる方にとっては、麺がとても柔らかくてびっくりすると思います。牧のうどんさんというか福岡特有なんでしょうか。決して讃岐うどんのようにツルっとしてコシのある食感や、駅の立ち食いのうどんのようにモチっとしているわけでもありません。とにかく柔らかい食感。なんたって舌で噛み切れるくらい柔らかい。
麺の湯で加減が選べるので、初めてのかたは硬めにしておくといいかも知れません。あと、牧のうどんさんではねぎ入れ放題。こういうのは良いですね。
なお、かしわは素直に美味しいですね。


こうして腹を満たして聖地巡礼の続きに出るところで、続きは次回にしたいと思います。